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中編

臨死体験

やま 3日前
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姉が交通事故に遭った。 横断歩道を歩いていた所に、右折してきた車が突っ込んだのだ。 姉は重体だったが、なんとか意識を取り戻した。 脚に後遺症があるが、今はリハビリも兼ねて普通に生活している。 それがもう7年くらい前の話。 最近交通事故が多いこともあり、久々に当時の話を姉に振ったら 「そうそう、言ってなかったけど。私、あの時臨死体験したのよ」 と言われた。 姉の話をそのまま書くと、 姉は気がついたら広い花畑に突っ立っていていたらしい。 その景色を見て直感で天国だと悟ったが、だからといってどうすることもできず、とりあえず足の向くままに歩き出した。 しばらく歩いていくと、かなり大きな川が見えてきた。 その川の向こうに、死んだ母さんと親戚数人が立っていた。 姉は嬉しくなったが、皆険しい顔をして首を横に振っている。 "来るな"と言っているようだった、という。 姉は引き返そうとしたが、帰る前になんとか母さん達と言葉を交わせないかと考えた。 すると川の橋に小さな船が見えた。 その船には(姉曰く)人力車の車夫のような格好をした男がひとり乗っていて、乗客を待っているようだった。 「すみません、川の向こうに行って、向こうの人と話してからこちら側に戻ってくることは可能でしょうか?」 姉が質問すると、船の番人(仮名)は 「できないことはないが、おすすめはしない。向こうの人が望んでいなくても、引っ張られることがある。そうなるともう私にも戻せない」 と返ってきた。 姉は少し考え込んだ。 いずれ死ねば母さんにも親戚にも会える。 でもその"いずれ"は今ではないような気もする。 だけど、少しだけ、少しだけでも話したい… 姉は悩んだ末に、船の番人に 「向こうに行きたいです。乗せてください」 と、頼んだ。 船の番人は「どうなっても責任は取らないぞ」といい、姉を乗せようとしたが… 「…すまない、だめだ。乗せられない。運賃が足りない」 姉は船の番人に突き放された。 「えっ?どういうこと?」 船の番人曰く、川を渡るには船に乗る必要があり、その船に乗るには当然運賃が必要だという。 しかし姉はその運賃を持っていなかったのだ。 仕方なく姉は船に乗るのを諦め、川の向こうにいる母さん達に目をやった。 母さんは嬉しそうな、でも少し悲しそうにも見える表情で手を振っていたという。 (やっぱり、今じゃないんだな

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  • これ実話ですか? すごく興味深い話、、
    宮崎文夫
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