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中編
東北のホテルにて
中編

東北のホテルにて

2018年10月18日
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2000年代の初め頃だったと思う。東北旅行で、仙台近郊のとあるホテルに宿泊したときの話。

あらかじめ言っておくと、自分自身はそれまでいわゆる心霊体験なんてものはしたことがなかったし、そういうものは信じていない。もしかしたらそういうものがあるのかもしれない、とは思っても、理科系大学で学んできた事もあり、それが霊や心霊といったものだとは考えない。それは今もって変わってはいないが、この体験はちょっと夢だったでは納得出来ないリアリティがあった。

仙台市内でレンタカーを借りて、岩手方面まで遊びに行く行程だった。その日は自宅から仙台近郊の都市にあるホテルに宿泊する事にしていた。その町には親戚が住んでいたので、久しぶりに会って夕食を共にしようという事になり、その町にあるホテルに一泊することにした。

レンタカーを借りてそのホテルに着いたときは特に何も感じなかった。よくあるビジネスホテルといった感じだった。

部屋は入り口入ってすぐのところにユニットバスがあり、部屋の奥にベッド、テレビ、小さなテーブルと椅子がある、ごく普通のビジネスホテルの一室だった。

部屋に案内され、部屋の奥にある窓から外を見下ろすとさほど大きい規模ではないが、川が見えた。築年数が経っている上、天気があまり良くなかったせいもあるだろうが、何となく暗い雰囲気で良い印象ではなかったのを覚えている。

とは言っても、もともとそういう事は気にしない質だったこともあり、そのまま荷物を整理しながら夕方迎えにきてくれる親戚を待ち、一緒に繁華街に食事に行った。軽く飲んでホテルの部屋に帰ったのは22時頃だった。

いつもの習慣で朝にシャワーを浴びるのでその日はそのままベッドに入っていた。

キィッ、キィッと、金属が擦れ合うような甲高い音で突然目が覚めた。目は覚めたのだが、体が動かなかった。

今度はその金属音と入れ替わるようにジョキッ、ジョキッという、はさみで髪の毛を切るような音に変わった。そして、そのジョキッ、ジョキッという音と共に、今度は女性のすすり泣くようなウッ、ウッ、という声が聞こえてきた。こんな体験は初めてだった。体中の毛が総立ちになる感じがした。

ベッドの位置からはユニットバスが見えなかったが、見えないにもかかわらずユニットバスから女性らしき何かが這い出して来たのがわかった。いつの間にか自分の体から自分が抜け出し、天井辺りから俯瞰していた。

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後日談:

  • 震災後、再びその町を訪れる機会があり、そのホテルを探して行ってみたが、そのホテルは建屋自体がなくなっていた。津波で流されたわけではなく、経営不振からか、営業を辞めたようである。まあ、あんな朝食を出すようでは経営状態は良いわけはなく、客も来なくなって当然だろうと思う。怪奇現象があるからかどうかはわからない。 あのホテルに幽霊が出る噂はあったのかとネットで調べてみたが、見つけることは出来なかった。
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はじめまして、よろしくお願いします。

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