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お屋敷
中編

お屋敷

匿名 2017年1月9日
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久々の投稿です。 毎度実話なのでオチもなければ盛り上がりに欠ける話ですがそれでもよければ 俺は子供の頃、定期的に母ちゃんと祖母ちゃんと一緒にお寺さん(俺はまんまんちゃんと呼んでいた)に行ってお経をあげてもらってたんだ。 前回の話でも書いたけど、何かと拾って来やすい体質だったらしいので(自分ではあまり信じたくない) で、その人がある時期だけ別の家に住んでた事があって、そこに何回か行った事がある。 かなり大きい屋敷で、家の周りには立派な塀垣があった。 日本庭園もあるし、玄関には立派な龍の絵が描かれた屏風と、二階への階段が凄く狭くて急だったのを鮮明に覚えている。 後から聞いたら、そこは昔地元の大名だかが住んでた武家屋敷だった。 お寺さんがそこに一時期住むことになったのは、浄霊の為だったらしい。 屋敷にはお寺さんと、その奥さんが住んでいて、たまに息子家族や俺みたいなのがお経あげてもらいにやってくるって感じ。 今思えばそんなやばい所にわざわざ行く意味がわからんけど、俺は幸い2、3回しか行ってないので霊体験はしていない。 母ちゃん曰く、霊は屋敷からは出られないし、あんたがどこからか拾ってくるから行かんと仕方ない!らしい。俺は腑に落ちてはいない。 ここからはお寺さんの奥さんから聞いた話 この屋敷には何体かの霊が住み着いていて、かなり古いものなので、とても強くなっていたそうな。 そりゃあもう、生きている人間と間違えるくらいにはっきりとそこに存在しているんだと。 ある日、奥さんは庭の手入れをしていた。 ふと顔を上げるといつの間にか庭に人が立っている。多分男だ。 あら、誰か来たのかしら…奥さんが声をかけた瞬間、男はすーっと消えた。 こんな事が日常茶飯事だったらしい。 まさに神出鬼没で、居間に座ってたり、廊下を行ったり来たりしてたり、寝てると顔を覗いてきたりしたそうな。 トイレの戸開けると立ってるんだよ、リアルな質感で!なんて奥さんは笑いながら言ってたけど、洒落にならん… でも何か悪さをする訳でもなく、こちらが気付いて驚くとすーっと消えていくだけだったとか。 人間そのものの立体感?リアリティでそこにいるって、相当強力なんだろうな。 んで、しばらくしてからお寺さんは自分の家に戻ってくるんだけど、あの屋敷がどうなったかというと 結局浄霊は無理だったらしい。 強過ぎてどうする事も出来なかったと母ちゃんから聞いた。 そこでふと思い出したんだ。俺はこの屋敷で女の子と遊んだ覚えがある。 だが顔も覚えてなければ服装も覚えていない。 ただ覚えているのは一緒に二階へ登った事だ。だから俺はあの狭くて急な階段を鮮明に覚えていたんだ。 その事を母ちゃんに話すと、それはあり得ないと言われた。 お寺さんの息子家族には女の子はおらず、俺たちが屋敷に訪れた時には他に来客は無かったのだ。 だとするとあの女の子は… あの屋敷は多分まだあるし、これからもあり続けると思う。 今回はこんな感じです。 なんか読み返したらありきたりだなーと思いつつも、実話なのでとりあえず書きました。 きっと同じ様な屋敷って結構あるんだと思います ちなみにこの話の屋敷はF県E市(旧T市)にあります…地元の人は知ってるかも? ではでは

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