
中編
帰り道での遭難
匿名 2日前
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あれ~こんな古い地域だったっけな?と思いつつ進み、公園を発見したのでベンチの雪を払いのけ、座りました。
上を見れば、大きな花のような雪がどんどん舞い降りてきてとても綺麗でした。
10分ほどで、主人から電話がきました。
「今どこにいる?」
「公園のベンチ。」
「だったら、公園を突っ切って反対の道路へ出たら右手に曲がって。電話は切るなよ。」
いつもの主人らしくなく、命令口調なのが気になりましたが言われた通り歩きます。
「道路右に曲がった。」
「3件目ね。そこの家の玄関開けて入って。」
「なんで?他人の家じゃないの?」
「いいから言われた通りにする。」
玄関を開けると、そこには姑が神棚を見上げて立っていました。
あれ?と思って振り返ると、いつの間にか私の家の玄関になっているではありませんか。
姑は私を見るなり、座り込んでしまいました。
私が自販機で読んだ住所は、20年以上も前に使われていた旧番地だったそうです。
当然使われておらず、公園も今では駐車場になってありません。
主人はその地域で生まれ育ったため、思い出して道順を私に辿らせたと言います。
「自宅の目と鼻の先で遭難するところだった」
なんて笑い話になっていますが、迷った当人である私からすると、あの時帰れなかったらと思うと…冷や汗ものです。
私は一体、どこに迷い込んでいたというのでしょうか…。
不思議な事ってあるものです。
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