
長編
蜂の巣校舎の怪
匿名 3日前
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感じ見上げました。すると最上階の階段の手すりから三つ編みの女子生徒が覗き込むようにして顔を出していました。その生徒と目が合うと思うと顔はすぐに引っ込んだそうです。慌てて階段を駆け上がりました。なぜなら、その日は吹奏楽部も含めて一切の部活動が休みであり、校舎はおろか敷地内に生徒がいるはずがない日でした。施錠されていた鍵を開けたのはもちろん見回りをしていた先生だけでありその校舎に自分以外誰もいるはずがありませんでした。しかし、生徒がいたということはイタズラか何かしているのではと思ったそうです。最上階に着きますが誰もいません。教室はもちろん窓もすべて施錠されており人の気配すらありませんでした。先生は狐につままれたような気分になりましたが、一応注意を払いながら見回りを続けるため下の階に向かおうと階段を降りようとすると、なんと下の階の廊下に先ほどの三つ編みの生徒が歩いているのを目撃しました。声をかけようとしましたが、あることに気づきやめました。現在の生徒が着ているはずのない女子校時代の制服でした。しかも新しめなのかしわひとつなかったと言います。気づくとその生徒は消えており、先生はあれが件の幽霊だと確信したそうです。
この話はそのときの怪談のなかでMV賞をとりました。そのことで盛り上がっていたなか、交通事故つながりで僕は去年に奇妙な体験をした同期の女子の話を思い出し、その場で話しました。
すると先生は驚き、「それはどこで起きたの?」
と焦る口調で聞いてきました。場所までは聞いていませんでしたが、僕と同じ桜並木の通学路を自転車で登校する姿を見たことがあったため、そのどこかであると答えました。先生は思い出すようにして、先ほどの後日談を語ってくれました。
そのおばちゃん先生の唯一の先輩にあたる校長先生に何かの席でその蜂の巣校舎での話をしたところ、実際に入学前に交通事故で亡くなった女子生徒がいたらしいのです。そしてその事故現場が奇しくもその学校に面する桜並木だったそうで、しばらくは生徒たちへの配慮と交通安全の目的でそことは違う道を使って通学させていましたが、事故の件が落ち着いてからは桜並木側の校門を開け通学路はもとに戻り、現在まで使われているそうです。
このとき僕は、去年同期の女子を襲った何かの正体を考え悪寒を感じました。そしてかつて部長たちが不安そうにしていた話の内容ではないかと考え、その蜂の巣校舎の話を僕らのほかに、先輩たちな
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