
7月の「陽炎の黒い走者」を書き込んだ、大学1年の俺だ。
あの学校の土地は、8月の下旬まで続く夏休み中も、俺を絶対に休ませてくれなかった。
7月の怪談を生き延びた直後、8月に入ってすぐ、俺はそれまでの怪談とは比較にならないほど規模がデカく、結果として高校3年間の夏すべてを縛り付けられることになる「最悪のループ」に巻き込まれた。
今回は、俺を含めた同じ学年の男女6人が体験した、あの地獄の『カラダ探し』の記憶をここにすべて吐き出させてほしい。
8月上旬のある日のことだった。
夏休みの部活(陸上部)の過酷な午前練習が終わり、昼休憩に入った時のことだ。俺を含む、同じ学年の男子3人、女子3人の計6人が、グラウンド脇の日陰に集まってぐったりと休んでいた。
その時の時刻はちょうど昼12時を迎えてた。
その時俺達「6人」の前に白い服を着た少女が現れて「私のカラダ探して」と言われ、気づくと消えていた。
それが、すべての始まりだった。
その日の深夜12時(午前0時)を迎えた瞬間、世界が反転した。
気がつくと、俺たち6人は、深夜の誰もいない、静まり返った真っ暗な校舎の中に閉じ込められていた。
校門と裏門がびくともせず、外には絶対に出られない。携帯の電波も完全に圏外。そして、この血生臭い校舎のどこかには、バラバラに解体されたあの少女の「カラダ」が隠されている。
世間で噂されるようなネット怪談と違って、俺たちを肉味的にも精神的にも一番追い詰めたのは、【俺たち全員、死んでも翌日に記憶が消えない】という最悪の仕様だった。
深夜の校舎に響き渡る、ベタベタという不快な濡れた足音。
暗闇から現れるのは、全身がべっとりと返り血で染まった【赤い人】だった。
そいつに見つかれば、逃げることなんて不可能だった。
ある時は、廊下を走って逃げる俺の背後から一瞬で距離を詰められ、素手で背骨をへし折られた。ある時は、女子の悲鳴が響いた教室へ駆けつけると、床に組み敷かれた彼女が、生きたまま顔面の肉を毟り取られていた。
骨が砕ける音、肉が引きちぎれる生々しい感触、血吐を吐いて死ぬ瞬間のあの強烈な激痛。
そのすべてを、俺たち6人は毎晩リアルに体験させられた。
死ぬたびに、目を覚ますと次の日の朝に戻される。
だけど、全員が殺された生々しい記憶と痛みを完全に持ったまま、また深夜12時にあの地獄の校舎に集められるんだ。
誰かが身代わりになって最後にはめられて消える、なんてルールもない。
後日談:
- そして今大学1年になってからだいぶ経ちましたが、起きてませんが、今でも高校には別の事が起きている。 それが「毎日昼12時に校内放送で少女が私のカラダを探して」とこの内容だ。 だが、高校には放送部はない。 そして先生方がいる職員室にもない。 だが、そのスピーカーだけ全教室に何故か設置されている。 そして、その後輩が先生に聞いたら、その先生がこう言った。 それが「うちの高校が設立した当時から誰かの仕業は分からないが、全教室にスピーカーが設置されてるんだ、そして先生もおかしいと思って当時の校長や先生方に連絡して聞いてみたら、誰も分からないと」とこの内容だ。 それを聞いた後輩は俺に連絡してくれたわけだ。 そして棺が設置されていた場所は高1の時は中央の昇降口、高2の時は旧校舎の礼拝堂、高3の時は体育館のステージ裏だった。 後輩からの電話を切った瞬間、俺は部屋の中で、真夏だというのに全身の毛穴がガタガタとよだつのを感じた。 あの学校の土地は、設立されたその瞬間から、生徒たちのカラダをバラバラにして探させるための「檻」として作られていたんじゃないか。毎日昼12時に全教室の謎のスピーカーから流れるあの放送は、次の生贄を呼び出すための合図なんじゃないか。 これが、8月。俺たちが高校3年間、夏休みのたびに引きずり込まれ続けた、一番スケールのデカい最悪な怪談だ。 夏休みが明けて新学期が始まる9月、あの学校には別の怪談が待っていた。 次は9月だ。
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