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本屋で読んだ話⑦
長編

本屋で読んだ話⑦

匿名 2014年5月18日
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昭和45年 夏 ー この間、俺の知り合い(1人)と高校時代の同級生2人で飲みに行った。 同級生の1人は酒癖が悪いため暴飲は控えるよう勧めた。 店の女の子たちほとんどを俺たちだけで独り占めしていた。 程よい気分になったところで時間はすでに深夜1時を回っていた。(閉店時間) 店内の客は帰っていき俺たちも会計を済ませて店を出た。 あれほど言ったのに同級生の1人は結局暴飲をやめきれず酒癖が悪い状態。 深夜の暗い夜道を歩きながら酒癖の悪い同級生がまだ飲み足りないと訊きません。 正直俺ともう2人もまだ遊びたいという気持ちはあったのでそこでもう1人の同級生があることを思いつきました。 これから心霊スポットに行かないか?と この時間なら人もいないし車も通らない。 丁度いい静けさだった。 場所は数年前に廃墟になったデパートか知り合いの家から近いテレビ塔という話になり俺たちはメッタに聞いたことのない山での心霊スポットに行くことに決めたのです。 そして山道の入口へ来ると辺りは真っ暗。 入口を挟んで左右10数m先に外灯はあるのだがやはり怖い。 こんな真夜中にテレビ塔なんかに来るヤツいねーだろ… 当たり前だが車だって通んねーよ… 引き上げようと思ったが同級生が冷やかすので行ってやるよ!と強がり、この暗さではとても行けないと判断した俺たちは知り合いの家がこの近くだということでみんなで懐中電灯を取りに行った。 懐中電灯は2個しかなかったが十分行けると思った。 予定としては頂上まで行き、また下りてくる形。 そして入口に戻り4人で行けば怖くないと意気込みながら出発した。 入口を入ると頂上まで外灯は一切ありません。 心霊スポットには十分すぎるリアルさだった。 たしかこの山道、頂上までは蛇道だった覚えが… 思い出したが俺が小学校の3年の時にクラスで一度登ったことがあった。 当時に比べさっき見たらだいぶ入口付近とか改装されていたな。 2人が電気を点けると道端をあちこちと照らします。(後ろからついていくもう2人) 竹藪から枯れ葉が落ち、時には動物(タヌキ)の足音らしきものも聞こえます。 ゾクゾクするうえにビビりながら進んでいく俺たち。 途中、酒癖の悪い同級生が背後から脅かそうとする。 野郎ッ!ふざけるなッ!置いてくぞ~! 3人が早歩きで同級生を遠ざけようとした時 バシャッ!パタパタパタ… 俺たちの数m先、林から山鳥が飛び出していった。 おっかねーよ、ここマジで~…何出てくっか分かんねーぞ… そして山道に入ってから30分以上は経っているであろう、すでに半分以上は登っている。 ここまで来たんだ、頂上まで行ってやる! ひたすら懐中電灯頼りに真っ暗な山道を進んでいく俺たち。 そしてこの静けさ、時おり吹いてくる風とそれで揺れる木の枝の音。 登り始めてから1時間近くが経とうとした時、俺たちの前方から小さな光が見えてきた。 テレビ塔の灯りだ!やっと頂上にたどり着いた! 1人がテンションを上げるとそれに連られてはしゃぐ俺ともう2人。 そして塔から20mぐらい手前まで来た… その時! パシャッ! パシャ…パシャ…パシャ… うわぁッ! 突然強い青い光に照らされた俺たち。 あまりの強い光に目を開けられません。 数秒後、目を凝らし見えるようになった俺たちがそこで見たものは… 髪が腰辺りまで長く顔の半分が焼けただれ真っ白い着物姿の女が俺たちを見下ろすようにすぐ頭上に現れたのだ。 しかも同じ姿の女が5人。 突然の光景に声が出ずその場で尻を落としてしまった。 腰を抜かした状態で後退む俺たち。(発狂寸前) 遊びだったはずの心霊スポットが本物の幽霊に出くわしてしまったのだ。 知り合いが逃げろーッ!と叫んだと同時に俺たちは立ち上がり下り道を思いきり走って逃げた。 気がついた時にはいつの間にか外灯のある町まで来ていた。 はっきり言ってテレビ塔に来たことを俺たちは後悔した。 が、それから数日後、あの山に出現した幽霊に関してある事実が判明した。 実はあの幽霊、本物そっくりに作られた人形だったのだ。 テレビ局が市役所に相談し、業者に頼んで作ってもらったのだ。 でもいったいなぜテレビ塔なんかに? それはテレビ局の社員が月に一度電波の点検のため塔を訪れていた。 その時、塔の周辺にゴミや空き缶、なぜか花火の燃えカスなどが散乱していた。 この山には頂上からの眺めを楽しみで来る人たちが多く、そこで食事をとる人も少なくない。 そして大量の花火の燃えカスで草地一部焼け野原になっていた。 直接電波に影響はないのだがこのままだといづれ問題を起こすだろうとテレビ局は市役所へ相談し業者に本物そっくりの幽霊の人形を作ってもらうよう頼み込んだ。 3週間ほどで完成し人形の入った木箱(棺桶)を5体、市役所の裏の倉庫に届けられ、中を確認すると誰もが悲鳴をあげてしまうほどの迫力さ。 役員4、5人でテレビ塔まで運んでいき塔から約20m手前に立つ大木、電信柱などに5体の人形を2mくらいの高さで縛りつけ人が近づくと人形に取り付けられたセンサーが反応し、光を放つ仕組みになっていた。 思わず役員たちも腰を抜かしそうになった。 こうして毎晩陽が暮れる前に役員を交代しながら取り付けの作業を行っていたのだ。 このことが世間で噂になりテレビでも一時報道されたが以来ゴミが投棄されることはなくなった。 景色を眺めに来る市民には申し訳ないないと役員たちは思っている。

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