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短編

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アラジン 2017年1月20日
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高校の時は帰宅部だったんだけど、赤点取りまくりで内申点が悪すぎて、進路相談で「お前もとにかく何かやれ」という話になった。空席のあった写真部に入ってコンテストに写真を出すことになったが・・・。 土足で上がり込んできた俺は、受け入れられるわけもなくあっさりといじめられた。写真を提出するたびにいちゃもんをつけられたり、酷いときには写真を捨てられたりした。 意地になった俺は題材を探しまくって、隣の隣の隣町にいい場所を見つけた。マジで出るって有名で、最近も警察が行方不明者を探したとかいう場所だった。ただ、廃駅の詳しい場所までは分からなくて、下見に行く必要があった。 しかし、下見当日に驚くものを見た。 なんともきれいな女性が、赤子を抱えて廃駅のある山に入っていくではないか?!普通に考えたら尋常じゃないし、廃駅しかない山に赤子を連れて散歩に行くわけがないんだよね。 なぜか好奇心が抑えられなかった。 追いかけていくと、なんと廃駅にたどり着いた。 あの女性は駅のホームにある椅子に座って、子守唄をうたいながら子供をあやしていた。そして、急に泣き出したかと思いきや、そのまま線路に赤子を落とそうとしたので転びながらもなんとか受け止めた。女性を見ると、目が白濁してて変な液が出ていた。見えていないようだった。乳母車の子供も目がおかしくて、臭い液が出ていた。 赤子の泣く声がしないせいか、女性が俺の辺りをじっと見た。 俺は神様のふりして女性に語り掛けた。 この赤子がいかに女性を愛してるか、幸せか、だから居場所のない気持ちを正直につらいと・・・。女性が手を差し出してきたので、その手に赤子を戻してやった。泣きながら女性は赤子と一緒に帰っていった。 なんだか温かい気持ちになれた。 その帰りの電車を待っていると、無人駅の掲示板に見覚えのある顔があった。 色あせた紙にあの女性お一家惨殺、殺人鬼、情報提供求むとかいう文字が踊っていた。 だから、俺の青春は泣きながら隣町まで走ったことに尽きるんだ。

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