
新着 中編
枕を寄せた夜
最寄り駅鯖缶 1日前
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で髪の長い女の人…?」
「えっ?どうしてわかったの?」
「…私、昨日さ。その人が前の2人の上に立ってるの、見ちゃったんだよね。だから早く寝ようって言ったの」
隣の友人の言葉に、その場に居た全員が息を飲んだ。
夢の中で、その女性に追いかけられ、宿から出たところで逃げ切れた。
扉の前に立ってこちらを見る女性が怖かったと、夢を見た友人は続けた。
しん、と皆が静まり返ったのをよく覚えている。
「そ、そう言えばさ、昨日監督見回りしてたよね」
話題を変えようと、私が苦し紛れに話した。
その意図を察したのか、何人かがそうそう、と返事をしてくれた。
「頭の辺り歩いてて、マジウザかったわ」
笑ってそう言った時に気が付いてしまった。
私たちは寝る前に、布団の枕側を合わせていた。
歩ける場所なんてそこにはなかった。
この怖い話はどうでしたか?