
中編
帰り道
岬 3日前
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。
薄暗い中でトンネルに反響して
タタタタタッ・・という駆け足の音が聞こえ
とにかく怖くて私はまた自転車を漕ぎました。
300mくらいで新道に合流するのですが
そこまでは後ろも見ずに
ひたすら自転車を漕ぎました。
新道に合流したところで
さすがに大丈夫だろうと
私はまた後ろを見ました。
外灯がまばらなのでよく見えませんでしたが
見た時はおじさんの姿が見えなかったので
助かったと思った瞬間に
はるか向こうに見える外灯が
こちらに向かって走ってきている
おじさんの姿を一瞬照らし出しました。
それからは後ろを見る事もなく
ひたすら新道を全力で走って
途中で家とは全く違う方向に向かって
大きく迂回しながら家まで帰りました。
真っ直ぐ家に向かうと
私の自転車をおじさんが覚えていて
家までついてくるのではないかと思い
おじさんを撒くつもりで
相当遠回りしてから帰りました。
ようやく家に着いたのは2:00過ぎで
家に着いてすぐさま戸締まりを確認して
汗だくのまま3時間ほど暗い中で
黙って身を潜めていましたが
結局何も起こらず朝を迎えました。
土日は外出するのも怖くて
黙って家で過ごしましたが
今日はさすがに車で通勤しました。
通勤途中におじさんを見かける度に
こないだのおじさんじゃないかと
チラチラとミラーで確認しましたが
幸いにもあのおじさんには
会わずに済みました。
とにかく無表情のまま
全力で走ってくるおじさんが怖くて
おそらく幽霊とかの類いではなく
リアルに存在する人間だと思うと
それが余計に怖くて
もし追いつかれていたら
一体どうなっていたのか
何をされていたのか
理由も何もわからないのが
とにかく怖い体験でした。
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