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長編

Kはよせ…

匿名 3日前
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識的に見ないようにしていました。 声が明らかにそこから聞こえていたからです。 しかし、声の主は私がそちらに視線を送らないことに益々腹を立てたのか「Kはよせ!...Kはよせ!...」と言葉を発しながらバンバンと激しくエアコンを叩くような音が中でしていました。 最早冷や汗なのかそうでないのかわからない額の汗を腕で拭ったあと意を決してエアコンを覗くと、通風口の真っ暗な中からこちらを見つめる2つの目が私を見下ろしているではありませんか。 白目部分からは血を流して真っ赤に染り、更にその目はカッと見開かれ、まるでこちらを威嚇しているようでした。 勿論家庭用の一般的なエアコンですから人が隠れる事など不可能です。 私は恐怖のあまり動くことも目を逸らすことも出来ずにいると、そいつはエアコンの中からゆっくりと這い出て来ようと動き出しました。 恐怖で身体が完全に硬直してしまった私はその様子を眺めるしか出来ません。 そうこうしているうちに、そいつは通風口からみにょ〜んと出てきます。 なんと形容したらよいのでしょう、そいつの目は完全に人間のそれですが、身体はゆで卵のように白くぬるっとしていて、とてもこの世の物とは思えない...そうまさに化け物と言うべきなのでしょう。 口や鼻といったパーツは無く、ぬめぬめとしたそれは例えるならば、RPGなどに出てくるスライムのようでした。 私はそいつの緩慢な動きに合わせて少しずつ後ずさりながらなんとか逃走を試みようとしていました。 数歩下がった頃に、通風口からある程度出てきたそれは重力に耐えきれずべちょんと真下に落ちました。 人の頭代ほどの大きさのそれは、絶えず「Kはよせ!...」と言葉を発していました。 そして、落ちた衝撃で潰れたそいつは形を整えながら、こちらを恨めしそうに見上げています。 この化け物自体が異常な程の熱を放っているのか、私の肌はまるで炙られたかのようにちりちりと焼かれ、恐怖と暑さから私はその場で意識を手放しました。 目が覚めた頃には辺りは既に夕方。 その時には、部屋の温度は暑いどころかむしろ寒いくらいで勿論奴の姿は影も形もありませんでした。 私は激しい吐き気と怠さに襲われ、その日はベッドでそのまま休む事にして、コレクションの処分は後日しようと決めました。 しかし、体調不良は2、3日休んでも全く回復することはなかったので、病院へ行くことに。 そしてそこで軽い熱中症と診断されました

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  • 対象がV系バンドではないですが私も全く同じような体験をしたことがあるのでびっくりしました。 念や生霊みたいなものなんですかね…
    まゆ
  • なんとなくわかった… 1月にこのバンドの元メンバーさんがサポート してるバンドのLIVEに初参戦してきました。
    ちぬ
  • Kがなんとなくどこのバンドか解ってしまった私は、投稿者さんと同世代で同じV系の時代に居たんだなと思った話だった。
    桜舞い散るあの丘で
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