皆さんは、物には魂が宿ると言う話を聞いた事は有りますか？ この話は、そんな事を思わせてしまうお話です。 ちょっと前の事です。 私は当時念願叶って、欲しくてたまらなかった車を購入する事が出来ました。 休日ともなると洗車に出かけ、何時間も車を磨く程の熱の入れようでした。 ある日、渋滞の後ろに停車していたら、暴走してきた後続車に衝突され、私の車は前の車とサンドイッチ状態になり、前後損傷して大破してしまいました。 修理には新車を買うのと同等のお金が掛かると言われたのですが、欲しくて買った車だけに、止むを得ないと思い、修理する事に。 修理が終わって、車が戻っては来ましたが、やはり完全には直りませんでした。 それでも、事故以前と同様に車に対する愛着は冷める事は有りませんでした。 そんなある日、とある地点に差し掛かった際、いきなりエンジンがパワーダウンし、アクセルを踏んでも全く加速しませんでした。 ついに壊れたか？と思いました。 すると、前方でお巡りさんが速度の取り締まり（通称ネズミ捕り）をやっていました。 慌てて速度メーターを見ると、法定速度ピッタリで走ってました。普段の自分なら間違いなく捕まっていたと思います。 お巡りさん達の悔しそうな顔を今でも忘れられません。 思わず、車に向かって 「有難う、お前のお陰で助かったよ〜」 と言ってあげました。 不思議な事にその場所を通り過ぎたら、また元どおりにブンブン走ってくれました。 しかし、そんな日々も長くは続かず、とうとうお別れの日が来る事に。 私は寂しくて泣いてしまいました。 「今まで有難う」 そう呟くと 「うううん、大事にしてくれて有難う」 と誰かがそう言った様に聞こえました。 後ろに誰か居るのか？と思い周囲を見渡しましたが、誰も居ません。 「大事にしてくれて幸せだったよ」 そう聞こえた気がしました。 恥ずかしながら、声を漏らして泣いてしまいました。 こんな恥ずかしいお話ですが、最後まで読んで下さって有難うございます。 皆さんは、物を大事にしてますか？