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長編

冗談じみた嘘のような実話談

匿名 2023年8月18日
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担任からお手紙を頂いたのをきっかけに 実話寄りの話を少し記憶も曖昧な部分など フィクションを混ぜて話します この話は弟のKちゃんの担任の実際にあった 話である。 夏になると怪談や都市伝説の話がよくでる 夏休みなどで心霊スポットを訪れる学生も ちらほらおり、先生は絶対に行かないでほしいと勧告するのだ。 面白半分で訪れると近隣住民や事故に巻き込まれるのは勿論、人に迷惑をかけてしまう事など、真面目な話もするのだが、 何より取り返しのつかない事もあるとの事 (この話はすこぶる長く金曜の放課後に 話すといい、放課後から夕方までのぼった) ここからは先生の昔話にもどる、 高校卒業したばかりの大学生の頃、 実家は住職で寺の家計というのもあり 以前から霊感がある家族からは口を酸っぱく 心霊スポットに行くなと言われていたとの事 まぁこれは、神聖な神社を清める者が 邪な心を宿してしまうとバランスが崩れるとかなんとか、当時はやんちゃで心霊的なものも全く見えずにいたし神主の父から相伝で何か経伝を学ばされることも無かった理由は定かでは無い、やんちゃの割には聞き分けはよく言われたことはしっかり守っていたそうだ、その理由として小さい頃不慮の事故により母が無くなり父親ひとつで育てたれた事も理由だそうだ。 母の肩身であるお守り代わりのペンダントと父から貰った白潤の水晶のような数珠を何時でも身につけるよう言われていた、 大学にはいるとサークルも忙しく そのはけ口にお酒やタバコで深夜友達と 飲み交わすことも多く。 てっきりそんな話もあったな程度の 軽い気持ちになっていた その頃はクーラーもない大学の寮の友達や貧乏アパートということもあり、暑苦しい夜の中 その日も集まってはベランダで飲み交わしていた、お酒も切れた頃にとある (ここではB男と名乗る)チャラいワックスを塗りたくったガラケー片手に B男が「肝試しでもやらへんか?」と投げかけてきたのだ、 もちろん先生は、お断りだと、 なんせ、霊感体質でもなけりゃ、のりともよめたもんじゃない。 だから断ってはいたものの B男「ひよりよるわコイツ」 A子「ぼーさんのでやのに、修行もできへん根性なしや」とヘラヘラしたあむらー風のA子も拍車をかけてくる。先生ぬきでも行くから待っときな〜と煽られた挙句、半ば強引に行くのだから、仕方なしについて行かざるをえなく 車に乗ってしまったとの事、昔のセダンなのでそこまで広くは無くエアコンの効きもわるい車内。 窓を開けると生ぬるい空気がする 先生の車だが、道順もわからないため B男が運転をしているので、心配しつつタバコを軽くふかす中、窓の外をみていた。 オレンジ色のトンネルの光や森の湿った風が 燻った車の空気と混ざりなんとも言えない感じがしたのを鮮明に覚えてた、夏の1ページだーとか、言ってたけどアレが一転して最悪な1ページになったのを後悔する余地もなかったと 気づけば夏の騒がしい虫たちのざわめきもなく街頭の少なさに気づいた頃。 ひとつの白い旧診療所あとのような建物が見えてくる、病院の様に大層な物でもないが 敷地は少し広く茂みはおいしげって、1軒平屋を大きくしたような風貌に、すりガラスにヒビがかった窓や森に溶け込みそうな汚れた白い塗装が剥がれていた。入口から少し離れたところにはかろうじて薄暗く光る公衆電話。 道を挟んだその向こうは林に朽ち果てた小屋が数件あるだけ山間の里の離れだろうか 街から少し離れただけで、こんなにも暗いものなのかと、暗闇からものものしく感じるものがあったとの事(表現足らずですまない) 到着早々にB男が提案をしだす 「順番に中に入って、公衆電話で入ったの確認してなズルするのは、わかるからなぁ〜」と言った 先生は最後に入るとの事で、何も無くサッと入って出てくればいいやと思っていたが。 写真を撮って帰ってくることとルールを付け加えられたことで。面倒臭く…言葉を濁した 正直ここで車を出して帰ってやろうとも思ったそうだ そうそう思ってる間にB男が入っていった、 不気味な静寂に足音だけがこだまする。 A子は少し肌寒そうに腕をさすっていた、最初の勢いはどうしたのかと思うくらい縮みあがっている。後部座席で三角座りをしながら横になり丸まって携帯を触っている 携帯電話のあかりが暗闇を照らす。 車内からは暗くて何も見えず、B男も携帯のあかりをたよりに入っていったのを考えると 凄く不安がおしよせてきた、車から出て一服しながらB男の方向を見るが真っ暗で検討もつかない、そんな中車の中のA子の携帯の光と公衆電話の薄暗く光、タバコに火をつける瞬間シャッと眩く光る。すると一瞬だれかがいたかのように目の端に何かが見えた。もう一度シャッと照らすと、地面から少し伸びた赤い何かが見えた。少しビックリしてタバコを落とし、手で払う、携帯の画面をその方向に向ける、するとヌーっと赤い何かが見えてくる。恐る携帯をあげると、ポストが見えたことで安堵した。ところが「ジリリリリリ…」と唐突に鳴り響く公衆電話にビックリ、 A子は窓越しに「B男がしびれをきらして 電話かけたんちゃう?」と言った。 頭の中が一瞬真っ白になったこととその一言で安堵した先生はそのまま受話器を取った、 案の定B男だった、「おーいお前ら遅いぞなにしとんねん」と受話器の向こうでヘラヘラした声が聞こえる、体感的にものの数分しか経ってない、8分くらいか?と問いかけるも 「何言うてんねんもう、23分入っとるちゅうねん!、写真も撮ったし帰るわ」と言うのだ、携帯の画面を見るとほんとに時間がたっていた、いや、ほんと怖い時や待ってる1秒が数分のように長く感じるって言うの聞いた事あるけど、逆なんて珍しいなと、思いつつも診療所のほうに目を向ける。 B男「今そっちに向かってるけど、暗くて見えへんし携帯の明かりかなんかで照らしてくれんか?」と言うのだ。 どこまで行っとんだよと思いつつも携帯を向ける、すると、混線したかのようにノイズが入りプープーっと電話が切れた。プープーという音の間隔に、吐息のようなコホーコホーとマイクごしに吐く息のようなものが聞こえた。咄嗟に受話器から耳を離し、放り投げたのだが、様子がおかしいのに気がついた、コードは切れている。そしてそもそも公衆電話の番号など把握してるわけない。なにかのイタズラでも悪趣味だ。咄嗟に出ようと振り返ると、吐いた息と手の指紋のようなものが、内側についている、真夏である。曇るにしてもこの付き方はありえない、すぐさま、A子の元にかけよりドアを叩くが、先程まで声をかけてきたA子の姿は全くなく、助手席に座りB男に電話をかけ続けた、 でろ!でろ!と思ってる側からいきなり運転席右側からバン!とB男がやってきた 少しキレ気味に「お前いい加減にしろや、A子が泣きわめいて走っててん何かあったら電話しろや」というのだ、必死にさっきもかけてたし、それにドアを開ける気配もないしA子が帰ってきてない!と必死に説明しようも、B男「A子はさっきからいるだろ」と後部座席を指さす。先生は頭が混乱した、いつから居たのか、じゃぁB男が泣きわめいて走ってきたっていうのは誰だと思った瞬間こいつは何をいってるのか分からなくなった、突如後ろから全速力で走ってくる足音と共に女「ぅぁぁあ、ぅぐっ、ひっひぃいいいいい」と泣き声がこだまする、ドップラー効果のように聞こえるのだ。その異様な様凍りついた瞬間、「B男だせ!!!早く!!」と エンストを繰り返しつつ発車させた さっきのは何なのか、どうかより A子はさっきから無言なのだ、 B男は手が震えながらハンドルを握り 額から猛烈な汗が滝のようにながれてる、 先生も握りしめる手の中。サイドミラーを確認したりルームミラー越しにA子を見るのだが、 数分無言の室内のなか、 ガチガチとA子は歯を鳴らすのだと… 振り向くとA子はしきりに遠くの前方を見ている。どうしたのかと聞くと、声が聞こえる泣き声が、微かに後ろで聴こえるとのこと、 セダン車の後はない、気のせいだと 説得するが、微かにシートがきしむような音の中に鼻をすするような音が聞こえたそうだ、 咄嗟に、我に返った先生は父に電話すると、「祓詞を父の言った後に続けて唱えるのと、数珠はもってるのか、ペンダントをA子にかけろ」と的確にいうのだ。 父の通り一心不乱に唱える。 B男は少し泣きじゃくった表情をしつつも 声を抑えている。すごく長い間、車内は様々なB男の吐息やA子の泣き声や鼻をすする音に包まれた。A子がぱたりと泣きやみ座席に横たわったとおもったら 鼻をすする音と同時に耳元を囁いた。 …「イワス…モヵナ…ミサ…ザルヵ…」とハッキリ聞こえた 手首を締め上げるような痛みと 焼けるような首の痛みが同時に起こった そのまま、心の中でもよみつづけ、トンネルを抜けたコンビニあたりにつくと霊障はおさまったそうな…。車の後部座席には所々 指で引っ掻くとは違うひっぱったような、 跡がそこらじゅうについていた、 そのまま父に言われるとおり、コンビニで酒と塩を車全体にまき、清め、事故が起きないように祈祷をし、すぐさま実家へ帰ったのだ、 凄く父に怒られる恐怖よりもまず、 A子の意識やB男の様子、それと禍々しく 変色して紫おびている数珠をつけてる腕と、 白潤の数珠は、苔むして腐った臭いにような赤黒と深い緑が混ざったような色をしていた、頭は恐怖を通り越していた。 そのせいか、 家に着いた安堵と疲労で玄関に倒れ込むように崩れ落ち、 朝目が覚めるまで、携帯を見る限りぶっ通しで寝ていたそうだ。 慌ただしく廊下を走る音にゆっくりと立ち上がって確認すると、その通りには数名泣き崩れて拝んだままの見慣れない神職数名がみえる、 時折その口角は上にあがってて異様だったとのこと、 ここから事情も何も一切触れるな 声を出すな、開けるな、と書き捨てられた紙1枚、黒子の様な装束の者にメモのようなものを渡され 門扉を閉じて部屋に隔離された、部屋には生の米を浸した水とめつきしば。祀られ それが一切の説明もされず閉じきった部屋に 対面にある。ときおりすすり泣くような声が戸の向こうで聞こえるのだが 無を意識しづけ、気づいたら寝ていたり 意識が覚醒していたり繰り返したそうで もうそこから2日の記憶が朦朧なのと飲まず食わずで、覚えてないとの事、 その後のことは父が全て請負うと言い残し B男やA子は親元へ返されたとの事、 これ以上詮索することや繋がりを持つこともできない、時間が置いたらいずれ話すと 言われ、先生が仕事に就いた今でもまだ 詳細は教えられてないと話してくれた。 因みに、先生が霊感ないのは強い守護霊や 守護神がついてくれてるからその目を通して 不浄な存在を見せないように目から心を守るためだとのこと、(しかし、今書いてて思うと、じゃぁ霊が見えてたってのは何故なのか…。とか思ってしまうのだが) そして先生が最後に「ほんとに馬鹿げた馬鹿な作り話なんやけどなハハハ」と笑って 言ってたが、ときおりみえる手首には濁った色の数珠が見えていた。どこまでがホントのことなの?と子供を怯えさせるには十分な話で。そして時折見せる先生の顔はほんとに真面目なのに何処か虚ろな目をしていたのがホントに怖かった。 大きくなった私もあの時のように この話を紆余曲折に話してみようと思った次第である。 皆も、心霊というのは置いといて 怪しい場所や危険な場所にいくのは 気をつけて欲しいです おしまい

後日談:

  • 担任からの手紙の内容としては 同窓会の時に開封するタイムカプセルが先生宛に書いたものへの返信だったので 特に深い意味などはございません 初めて書いてみましたが読んでいただけると 光栄ですね、

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