
中編
赤い部屋(タクシーの怖い話)
匿名 2日前
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てとんでもない!私、送って行きますよ!」
「結構です!」
女性は強めに言ったが俺は
「いえ、何かあったらと心配なので・・」
女性からすれば「そういうあんたが心配だよ!」と思われても当然だが、俺は曲げなかった。
俺は細く狭い山道を女性とともに歩いた。
女性は不機嫌そうだったので、何も話さず黙って歩いた。
しばらく歩くと、平屋建ての一軒家が見えてきた。
家には灯りはついてなく物音もしない。女性は一人暮らしなんだろうか。
良かった。ちゃんと帰る場所があったんだと安心する俺。
女性は
「ありがとうございました。」
と淡々と不機嫌そうに言い、家に入っていった。
俺は女性が部屋に入れて安心すると同時に
「こんな場所で女性が1人で暮らしているなんてどういうことだ?」
という疑問が浮かんだ。
俺はいけないと思いつつも、女性の家の玄関のドアにある鍵穴から中を覗いてみた。
するとドアの向こうは真っ赤だった。
俺は「赤い紙か何かで鍵穴を塞いであるのかな」と思って、もと来た道を引き返して行った。
タクシーを営業所に戻したところで、仕事上がりの同僚と偶然会い
「ラーメンでも食いに行かないか。」と誘われた。
そして同僚と一緒にラーメン屋へ。
ラーメンを食べながら、俺はさっきの不思議な女の話をした。
同僚は
「その女、俺も乗せたことあるよ!○○町の女だろ?」
「うん、何気に可愛いよな!」
「本当だよな!」
そして俺は飲んでいたこともあり、覗いたことを話してしまった。
「誰にも言うなよ?俺さ、覗いてみたんだよ。その女の家の鍵穴を・・」
俺はニヤニヤ笑いながら言ったが、同僚はなぜか真剣な顔をしていた。俺は
「なんだよ?覗きは犯罪だってか?」
「そうじゃない。お前、知ってるか?なんで鍵穴が真っ赤なのか。」
同僚は俺を見ながら真剣な目で
「その女、目が真っ赤なんだよ!」
そう聞いて凍りつく俺。
あのとき、真っ赤に見えたのは・・・。
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