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いわくつきトンネル

ある山奥の何もないところを通る鉄道路線にいわくつきのトンネルがある。
ここのトンネルは戦前に建設され、労働者の人権など無きに等しい過酷な環境下で建設された。過酷な労働で体調を崩す者や日常的な暴行が後を絶たなかった。
そのため「トンネルの壁には建設中に命を落とした人が人柱として埋め込まれている」「このトンネルに列車が差し掛かると心霊現象が起こる」などの噂が立っていた。
あるとき個人的な旅行でここの路線に乗ることになり、そのトンネルをこの目で見てみたいと思っていた。
時間は夜9時過ぎで、列車の本数は少ないためこの時間でも最終列車だった。
俺は、ひとつ前の駅から先頭車の運転室後ろで前面の景色を見ていた。
駅を出発してすぐにトンネルかなと思っていたら、なかなかトンネルにつかない。
列車はレールに草の生える山の中を延々と進んでいた。
列車のライトが暗い山の中を照らすだけでも不気味なのに、この先にいわくつきのトンネルがあるとは背筋が寒くなるくらいだった。
そしてようやく、トンネルが見えてきた。
列車はトンネルの中を進んでいく。
戦前に作られたためか古めかしい感じもした。
いわくつきのトンネルだと考えるとやはり怖かった。
そしてトンネルの出口が見えてきた。
もう終わりかと思っていると名残惜しくなり、記念に列車の中から見たトンネルの出口をスマホで写真を撮った。
その時点では何も気づかなかったし、列車は何の問題もなくトンネルから出ていった。
・・・
あとでスマホのカメラを確認すると、列車の前面から見たトンネルの出口に鉱夫のような男が数人立っているのが写っていた。
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