
中編
愛犬の写真
匿名 2日前
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俺は小学校5年生から高校2年生まで犬を飼っていました。
兄の友達の家で産まれた雑種犬で、ビーグルのミックス犬らしく、小さな体のくせにくぐもった太い声で鳴く犬でした。
俺と兄は7歳年が離れていて、兄の大学入学後は兄が独り暮らしを始めたので、ほとんど俺が犬の面倒をみていました。
夜は散歩しながら星をながめ、小遣いでおやつを買ってやってたおかげてかなり懐かれていて、本当の弟のように思っていました。
しかし、高校2年生の夏、まだ若いのに愛犬は死んでしまいました。俺はかなり落ち込み、何か悪いものを食わせてしまったのか。と、買ったばかりの携帯の待受も愛犬のまま変更出来ず、ひとりふさぎこんでいました。
そんな折、高校の帰り道にある家で、小さな柴犬を飼い始めました。犬好きの自分はほぼ毎日触りに行きました。子犬を撫でると、寂しさが少しだけ和らぎました。
しかし、まだ子犬だからか、寒い日などは外に繋がれていない時もあり会えない日も合ありました。
ある冬の日、その家の近くで犬の鳴き声が聞こえ、子犬を探しました。あの子犬にしては太い声だな。と不思議に思ったものの、子犬に会えるかもという思いが先行して何も疑問に思わずに子犬の姿を探しましたが、やはりどうやら寒いので家のなかにいるようでした。
残念に思いながら歩き出すと、すぐ角から大柄な男性の運転する原付バイクが飛び出して来ました。
俺はまるで気づかなかったので、あの子犬を探すために数秒立ち止まらなければ、もしかしたら轢かれていたかも知れません。
驚いてほんの少し立ち止まった後、はたと今は何時かと気になり携帯を開きました。
俺の高校はかなりへんぴな所にあり、一本電車を逃すと20分近く待たなければならない事がざらにあったので、急いでいたのです。
本来なら犬を撫でる時間もなかったはずだった程です。
携帯を開いて驚いたのは、愛犬の写真が消えていたことです。
待受は愛犬の写真のはずが、規制の空の写真に変わっていました。
携帯のフォルダを探しても、他の写真はあるのにあの待受にしていた笑っているような顔をした愛犬の写真は無くなっていました。
そういえば、あの太い鳴き声は子犬のものではなく、愛犬のくぐもった鳴き声によく似ていました。
あれは、愛犬が俺に危険を知らせようと吠えて知らせてくれていたのでしょうか。
因みにたかが原付と思われるかも知れませんが、自分は当時50㎏無いほどのがりひょろでしたので、ス
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- (TдT)(TдT)(TдT)(TдT)(TдT)(TдT)(TдT)(TдT)(TдT)(TдT)アルカディオのあさがお
- きっと愛犬くんが守ってくれたんだ! いつもそばにいて見守ってくれてる! 優しいワンちゃん…りーたん