
長編
玲姫の部屋
SHO 3日前
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行けない様子だった。
結果、朋美を追いかけているのは、私と来宮さんだけ。
長い廊下の先に『おじいちゃんの部屋』があるはずだった。
しかし、開いたままの扉から入ると、異様な光景が広がっていた。
「とも…み…?」
「先輩…」
そこは8畳程の部屋。その真ん中に朋美は…
いや、朋美に憑依した『なにか』が日本人形を優しく抱いて、横座りしていた。
子守唄のようなものを歌いながら櫛で日本人形の髪を梳いている。
その光景は、まるで子供の髪を梳かす母親そのものだった。
「ここ…おじいちゃんの部屋じゃない…」
来宮さんはさらに恐ろしい事を言いだす。
おじいちゃんの部屋じゃない?どういうこと?
しかし、言われてみれば、来宮さんの祖父の姿はどこにもなかった。
「たぶん…朋美先輩に憑依しているのは、玲姫です」
「レイヒメ?」
来宮さんが、朋美の後ろを指差す。
その方向に目を向けると…
掛け軸に、着物を着た女性が子供を抱きながら涙を流す絵があった。
今の朋美の姿と酷似している。
「この寺の書物庫で『玲姫の部屋』という書を見た事があります。そのときに、あの掛け軸と同じ絵がありました。」
来宮さんが淡々と話す。
いや、玲姫って何者?
その疑問を口にすると、来宮さんは掻い摘んで説明してくれた。
「災いをもたらすとされた日本人形によって、玲姫の子供は呪い殺されます。子供を亡くした事で悲しむ玲姫に、その人形は自分を玲姫の子供と思わせる術をかけ、玲姫に永遠と自分の世話をさせるんです。」
永遠と…世話をさせる。
考えるだけでゾッとする。
その時、日本人形がこちらに顔を向けた。まるで私の心の声が聞こえたかのように。
90度こちらに首をまわして。
黒い涙を流していた。墨汁のような真っ黒な涙を。
私は恐怖で、足があり得ないくらいにガクガクと震えだす。
来宮さんも、日本人形の顔がこちらを見た瞬間
「ヒィッ…!」
と声が漏れ、1歩後ずさりする。
すると
「どうしたの…?なんで泣いてるの…?ねぇ…なんでよ…なんで泣いてるのよ…なんで…なんで…なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで」
口から内蔵が飛びだしそうなくらい、怖かった。
同じ言葉を恐ろしいほど連呼しながら、私たちの方をジロリと睨みつける。
朋美…いや、来宮さんの話からすると、それは人形に操
後日談:
- 誤字脱字を訂正したり、より読みやすい文にするため、よく書き直しています。ご了承ください。
この怖い話はどうでしたか?
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- あれっぽい。夢水清志郎。するめ、
- 結局吹奏楽の話は?レイ
- なるほど。シグナル
- すごいおもしろいお話でした!ま こ と
- これ本当にあった怖い話ですか?本当に?どう見ても小説家が書いたとしか思えないぐらい、よく出来てますが?ぼんばー50
- これはほんとうにあった怖い話じゃない これは第3者が書いているようだ。教授
- 本当に、人がいなくなったのかな。まっぴー
- ループしてますねぇ~わーい
- 怖い(^.^)!ボルケーノ
- 永遠にねみっち