
長編
玲姫の部屋
SHO 3日前
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ら、みんなを追いかけた。
来宮さんの祖父に挨拶をした後、お寺の本堂に入った私たち7人は、用意した30本のろうそくを囲むようにして床に座る。
ろうそくは、風も吹いてないのにゆらゆらと生き物のように揺れていて、なんだか不気味だ。
私の右隣には、今にも泣きそうな顔で水澤さんが座っていた…かわいそうに。
水澤さんはこういう類のものは苦手なのだが、仲の良い岩崎さんが参加するというので、無理をして参加したのだ。
対して岩崎さんはニコニコ笑顔。
間宮君と若生君の男子組は顔をこわばらせて座っている。
そして、ちょうど私の向い側に座っている朋美から怪談を語り始める。
ちなみに、百も話すのは無理だろうという事で、三十の怪談を語ったら終了する事になっている。
だからろうそくも30本。
怪談が1つ語り終わる度に、ろうそくの火が1本ずつ消される。
しばらくして、語り始めてから3周目になった。
腕時計を見ると、ちょうど丑満時だ。
なんだか不気味…
ろうそくの火も半分くらい消されて、最初よりもだいぶ暗くなった。
本堂の奥には闇が果てしなく広がり、見ていると吸い込まれそうになる。
私はこの時、なんとなく朋美が気になった。
意を決し、そぉーっと…俯いていた顔をあげ、朋美の方を見る。
…
なんの感情も浮かべることなく、無表情で座っている朋美の姿がそこにあった。
「朋美…?」
「…」
「とーもーみー!!」
「……」
焦点のない目がこちらを見る。
その目を見た瞬間、背中の毛がゾワゾワッと逆立つ。
いつもの朋美じゃない。直感でそう思った。
やっぱりおかしい。普通じゃない。
朋美は私を見たままふらふらと立ち上がり、本堂の奥に向かって歩きだす。
「おい!待てよ!」
間宮君が追いかけて朋美の手を掴んだが…
「!?」
朋美の顔を見た途端、へなへな〜と座り込み、動かなくなった。
口をわなわなと震わせている。
朋美は私たちを無視して、そのままふらふらと奥へ向かって行った。
しばらくして、来宮さんがスタッと立ち上がり、朋美の後を追いかけた。
私も慌てて来宮さんの後を追う。
「朋美先輩が向かった先には、おじいちゃんの部屋があります。」
来宮さんが走りながら私に言う。それなら、来宮さんの祖父もいるはずだ。
若生君は間宮君の介護。
岩崎さんは泣きじゃくる水澤さんを慰めているので、置いて
後日談:
- 誤字脱字を訂正したり、より読みやすい文にするため、よく書き直しています。ご了承ください。
この怖い話はどうでしたか?
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- あれっぽい。夢水清志郎。するめ、
- 結局吹奏楽の話は?レイ
- なるほど。シグナル
- すごいおもしろいお話でした!ま こ と
- これ本当にあった怖い話ですか?本当に?どう見ても小説家が書いたとしか思えないぐらい、よく出来てますが?ぼんばー50
- これはほんとうにあった怖い話じゃない これは第3者が書いているようだ。教授
- 本当に、人がいなくなったのかな。まっぴー
- ループしてますねぇ~わーい
- 怖い(^.^)!ボルケーノ
- 永遠にねみっち