
長編
グーグルマップから抜け出た霊
匿名 9時間前
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きた。最初は扇風機の風に煽られているものと思っていたが、その内、メモ帳を引っ掻く音に変わった。まるで紙面をカナブンが足で引っ掻いているような音。しかし窓は締め切っているから、そのような虫が部屋に入ることはない。
小型扇風機の弱の風でページが少し浮き、擦れるような音が果たしてするだろうか、とも、疑問に思っていたが、やがて引っ掻き音はしなくなった。と、今度は枕元のラックの横にある、CD&DVDラックのそこかしこから「ピシッ、パシッ」というラップ音が聞こえ出した。
ラップ音は何分か続いた後、何十秒か音が止み、再び音がする、ということを繰り返した。
寝室での怪異は過去、何度かあったため、あまり恐怖は感じないが、イライラして寝付けない。
とうとう、5:30にセットした目覚まし時計が鳴るまで一睡もできなかった。目覚ましが鳴って部屋の照明をつけるとラップ音は止んだ。
この二、三日、家から一歩も出ていないから、今回の現象の原因はネットで見ていた松工裏の公衆電話ボックスにあるとしか、考えられない。
松山市に着き、いつもの駐車場に駐車し、徒歩で美術館に向かう道すがら、その電話ボックスに寄ったが、住宅街にある、何の変哲もないボックスで、写真も何枚か撮ったが、当然、何が起こる訳でもなく、写真にも何も写っていなかった。
松山では特になにもなく、交通事故に遭うこともなく、帰宅し、深夜。過去の寝室での怪異現象は皆、一時で終わっていたから、流石に二日続けてラップ現象は起こらないだろうと、ベッドに入り、照明を消すと、すぐまたDVDラックの各所からラップ音がし始めた。
枕元のスポットライトをつけてみたが、弱い明りだったこともあり、ラップ音は止まない。かと言って部屋の全体照明をつけてしまうと明る過ぎて眠れない。
仕方なく、起き上がり、居間へ行き、病院から処方されていた眠剤を飲み、酒を飲み、ソファーに座った。眠剤は最も効き目が弱いタイプのものだから、アルコールを飲むことにより、効き目をアップさせようとしたのだ。
眠剤とアルコールを一緒に飲むことは禁止されているが、早く寝付きたい時は時々することがある。身体に悪いことだから皆は絶対、真似しないように。
ソファーで30分ほど過ごし、眠剤の効き目が相当出てきた所で寝室に戻ったが、消灯するとまたラップ音が。が、睡魔が強制的に眠りに入らせた。
このラップ音は三日目以降も続くに違いない。そこで親類
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- 大工の棟梁が地鎮してもらわないこともあるのかたか