
長編
古い鏡
しずく 4日前
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るくなってきました。
山の中を20分くらい走ると、途中に古ぼけた看板があり、
その指し示す方向へ進むと急に視界が開けました。
車が何十台も止められるくらい広い場所です。
薄暗闇の中、奥の方にコンクリートの建物が見えました。
全体的に近代的っていうかビルっぽいのに、
柱が赤く塗られていたり屋根が瓦だったりで、
ちぐはぐな印象の建物でした。
早速その建物に侵入しようとしたんですが、ドアにはカギが掛かっているし、
一階の窓には鉄格子みたいなのが嵌ってるしで、とても入れそうにありませんでした。
清水と石川がバットと木刀でドアを叩いたりガラスを割ったり大声を出したりしたのですが、
あたりは静まりかえっていてなんの変化もありません。
徹夜明けでハイになっていた俺たちのテンションも下降気味でした。
「おい。こっちに道があるぞ。」
原田が建物の裏で呼ぶのが聞こえました。
行ってみると、細い山道が森の奥に続いていました。
最初の意気込みが空振りに終わりもやもやした気持ちを抱えていた俺たちは、
とりあえずその山道をたどることにしました。
しばらく歩くと、開かれた場所に出ました。
そこは少し窪んだ地形になっていて、中心には小さな小屋のようなものがありました。
その小屋がちょっと変でした。
石を積んで、隙間をコンクリートで埋めてあるのですが、
まるで慌てて作ったみたいに乱雑な造りで、壁も垂直じゃなくて傾いていて凸凹してるし、
全体の形も崩れかけっていうか、土の塊をグシャッて置いたような感じです。
「見ろよ。変な扉。」
斜めになった壁に、無理矢理という感じで鉄の扉がはめ込んでありました。
「開けるぞ。」
清水が取っ手を掴んで引くとギィィと開きました。
中は外より更に暗くて、様子が良く分かりません。
清水が足を踏み込むとザリッザリッと小石を踏むような音がしました。
「うわ!なんだコレ。」
清水が声を上げました。
俺と石川と原田が中に入ると、
一段上がったところで清水が足で床をガリガリとこすっていました。
見るとそこの床は古そうな板張りで、鏡の破片が大量に散らばっていました。
「お前は入るなよ。ケガするぞ。」
サンダル履きだった石川は外で待っていることにして、
俺と原田が小屋に上がりました。
目が慣れてくると中の様子が分かってきました。
10畳くらいの狭い小屋で、壁も床も板張りでした。
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- なんで言うなと言われても人に言うのよ。まりりん
- ヒェッ真実を知る者
- 怖いですねまゆ
- 何度読んでもこれゾッとする。匿名
- こええからやめろ…一航戦の誇り
- だから、怪しい所とかに興味本意で行っちゃ駄目なんだよ。 そういう目にあうんだからさ。_