
目を覚ましたとき、静寂が支配する無機質な部屋にいた。天井の高いその空間には、窓はおろか、光すら差し込む隙間がなかった。目の前には、金属製のテーブルがあり、その上にはふくらんだ封筒がひとつ置かれている。好奇心に駆られ、私はその封筒を開けた。中には、現金で百万円が入っていた。
その瞬間、部屋の扉が開き、スーツを着た男が入ってきた。彼は冷たい微笑みを浮かべながら、私に向かって話し始めた。私は高額の求人広告を見てこの場所に来たことを思い出したが、ここに来てからの記憶がまったくなかった。
「お疲れ様でした。あなたは立派に任務を果たしました。さあ、報酬を受け取ってください。」
私はまだ状況を飲み込めずにいた。「何をしたのか覚えていないんですが…」
スーツの男は、私の不安を無視するように言った。「いいえ、あなたは確かに働きました。この映像をご覧ください。」
彼はスマートフォンを取り出し、映像を再生した。そこには、同じ部屋の中で、私が座り、無心でデータを暗号化している姿が映っていた。1時間、2時間、3時間と、時が経つにつれて、私が必死にパソコンに向かう姿が続いた。
数日が過ぎ、11日目。スーツの男が再び現れた。「お疲れ様でした。機密保持のために、ここでのことはすべて忘れていただきます。」
映像の中の私は、男から水の入ったコップと小さな丸薬を手渡されていた。私はそれを見つめ、ためらう様子を映し出していた。「それを飲まなければ、報酬はお渡しできません。」
男の言葉に背中が冷え、映像の中の私は意を決して丸薬を口に入れる準備をしていた。だが、その瞬間、映像が止まった。無表情で目を見開く私。何かを察知したかのように、叫んだ。「いやだ!飲まない!」
叫び声と共に、口から丸薬が飛び出し、床に落ちた。「なぜですか?毒ではありませんよ。」スーツの男は冷静だった。
「嫌だ!ここから出してくれ!」と絶叫する私に、男は無言で私を床に押さえつけた。映像の中の私は、泣き叫びながら、もがいていた。
男は注射器を取り出し、私の腕に突き刺した。私は意識を失い、映像はそこで終わった。
「最後はいささか強引でしたが、どうぞ報酬をお受け取りください。」
男の言葉に、私は気味の悪さを感じつつ、おそるおそる封筒を受け取った。百万円の重みが心を高揚させる。
後日談:
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