
中編
禁忌と懺悔
(;¬_¬) 2016年6月24日
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三日ぶりに外出した私は、初夏の陽気と風の中、気持ちよく散歩をしていた。
しかし、その異変は突然訪れた。
三日間体を動かさなかった私の体の中にある「何か」が汗ばむ陽気と心地よい風に誘われて、外出を始めたのである。
しかも、大家族で。
私は、急いで近くにあったスポーツショップに駆け込んだ。
私「すいません!! トイレ貸してください!!!」
店員「ありません。」
普段なら
「じゃあ、あなたはどこでトイレをするんですか、アイドルですか?堂本光一ですか?」
くらいは言う私だが、
そのときは、
私「分かりました!!ありとうございます!」
と忍者のように店を後にした。
忍者になった私は、体の中にある「何か」を便器という「将軍様」に手渡すため、疾風の如く走った。
その時だった。
私の目に「ゲームセンター」という看板が目に入った。
私は、
「よし! 間に合った!!」
と思った。
だがしかし、その時だった。
私の体の中にある「何か」を支えていた●門が、まるで「反抗期の中学生」のように暴れ始めたのだ。
「反抗期の中学生」となった肛●は、手負いの忍者である私にはどうすることもできなかった。
目の前が…
気付いた時には、ゲームセンターのトイレの中にいた。
途中で、高校生がカツアゲされていたような気がしたが、そんなことはどうでもよかった。
なんなら私の持っているモノを全て渡したかった。
私は、急いでズボンを下げた。
私は、パンドラの箱を開けてしまった。
もはやテロであった。
中には、「●ンコのついたパンツ」というよりも「パンツのついたウ●コ」と表現した方がふさわしいものがあった。
私は、
「大人はウン●を漏らさない」
というイギリスの「ロゼッタ・ストーン」にも書いてありそうな古代エジプト時代からの禁忌(タブー)を犯してしまったのである。
私は、しょうがなく「パンツのついた●ンコ」を脱ぎ、トイレットペーパーでウ●コからパンツを引き剥がした。
ある程度ふき取ってから、もう一度はこうとしたが、
「こんなのはくとか、国から補助金が出ても嫌じゃ、ボケ!!!」
と心が叫んだ。
私はウン●をはくのを諦めた。
数分後、気を取り直し、今後の課題と対策をまとめることとした。
最も重要な課題は、「パンツのついた●ンコ」の処理方法だった。
普段は、課題があるといくつかの処理方法が浮かんでくる私だが、今回は精神的ダメージが大きすぎた。
どうしよう
どうしよう
どうしよう
…
…
…
そうだ! お店にプレゼントしよう!
私は、「パンツのついた●ンコ」をお店のゴミ箱にプレゼントすることとした。
カツアゲ高校生がいないことを確認し、私は個室から出た。
すると、手洗い場の下にこの世で最も高貴で優雅な「ゴミ箱」を発見した。
私は、誰もいないことを確認し、「パンツのついた●ンコ」を目にも止まらぬ速さでゴミ箱にダンクした。
あのダンクはシャキール・オニールもヤオ・ミンもブロックできないであろう。
「パンツのついた●ンコ」が私の手を離れる瞬間、
「もう、お別れだね。」
と言った。
私たちは、とても悲しい気持ちになった。
まるで、天の川に引き裂かれる織姫と彦星のようだった…
あれから、十数年、ゲームセンターはもうない。
しかし私は、毎年その場所を訪れ、手を合わす。
「ゲームセンターの人、本当にごめんなさい。」 完
*「私」が実際に体験した「本当にあった怖い話」シリーズ
① スーパー銭湯
② 扇風機おじさん
③ 喪黒兄
④ 「死」の概念
⑤ 自転車チャンピオン
⑥ スネオ系男子
⑦ ケンシロウ
⑧ 綱吉公の理想郷
⑨ 禁忌と懺悔
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