
中編
奈那子
匿名 3日前
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親に抱かれたままため池に身を投げて死んでいたのである。遺書によれば、未婚の自分にはとてもわが子を幸せにできないと思い交換したのに、1年足らずでまた交換することになってしまった。それどころかこれから先、自分のしたことが知れて、逮捕されれば、今度こそこの子を育てる者はいない。そう思い、死を決意した。ということであった。親の都合で振り回されたあげく命を落とした赤ちゃんは、最後に育ての親に会いに来たのかもしれない。
「…あのお地蔵さんは、母親が建てたんですよ。二人とも育ててやればよかった、とひどく悔やんでいたそうです。」
翌日、身支度を終えた私たちは再びため池にやってきました。近くの花屋さんで包んでもらった小さな花束を添え、手を合わせました。
あれからもう十年にもなりますが、時々思い出します。今頃はもう育ての親も天国にいて、赤ちゃんと会うことができたのでしょうか。
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