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向かい側の校舎
長編

向かい側の校舎

匿名 2016年11月28日
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小学生の時に私と友達(A君)が体験したお話です。 私とA君は小学6年生のときに初めて同じクラスになりました。A君は毎日自主勉強を欠かさない頭の良い人でした。 ある日、A君に「一緒に勉強していかないかい?」と誘われて断れないタイプの私は学校に残って一緒に勉強していました。 A君は教え方もうまく、わからないところを聞くとすぐに分かりやすく説明してくれたり、ポイントになるところを教えてくれてものすごく為になりました。 それから私は毎日A君と放課後勉強をすることになりました。一緒に勉強し、わからないところは教えあい、時間は過ぎて行きました。 もう外が暗くなってきた時、先生に「そろそろ帰りなさい」と言われ帰ることにことにしました。廊下に出て見ると 向かい側の校舎には至る所の電気がついていました。私達の他にも人が残っているのに何で私達だけなのだろうか・・・ そんな風に思っていました。 A君も同じことを思ったのか A「まだ、あんなにいるじゃないか」 と言っていた。 その次の日もまた先生に「はやく帰りなさい」といわれ廊下にでると、向かい側の校舎には電気がついている。 という事の繰り返しだった。 最初は気にしなかったけれど、次第にA君が「今日はこの辺で帰ろう」と勉強時間も短くなって言った。 そんなある日、A君が風邪で学校を休んだ日、僕は授業でわからないところがあったので先生に聞きにいった。 しかし、先生はとても忙しそうで 「ごめん、放課後でいいかな?」と言われたので渋々了解しました。 放課後、先生にわからないところを教えてもらった。先生も「ここが分かれば、ここもできるはずだよ」と勉強を教えてくれた。 辺りが暗くなり、先生が「そろそろ終わりにしようか」と言い廊下にでる。いつものように向かい側の校舎は電気がついていた。 先生はそれを見るたび顔色が悪くなっていくような気がした。 私は先生に「向かい側の校舎っていつも電気ついてるけど何でです?」 と聞くと 先生「お前は何も知らない方がいい。はやく帰りなさい」 といった。先生の声はかすかに震えているように感じ、不気味に思いそれ以上は追求しなかった。 翌日、A君が学校に復活し、休んでいた分の授業を私が教えてあげた。放課後、いつものように勉強をしているとA君がいきなり語り始めた。 A「お前、向かい側の校舎に行ったか?」 私「ううん、不気味だし行きたくない。」 A「じゃあ、お前この6年間であの校舎に行ったことがあるか?」 A君のその言葉を聞き、私は考えました。確かにこの6年間で一度もあの校舎に行ったことがなかったからです。 私「でも、電気ついてるから誰か居るって事でしょ?」 A「そうなんだけど、その【誰か】を見たことがあるか?」 私「見たことないけど、急になんで?」 A「ー。いや、不意にそう思ったから」 A君は何か言いたそうでした。 でも、私に気を遣ってかそれ以上は何も言ってきませんでした。 後日、A君は学校を休みました。その次の日もそのまた次の日も学校にはきませんでした。 次第に心配になってきた私は先生に聞きました 私「先生、A君最近どうしたのですか?」 先生「いや、お前は知らない方が良いというか・・・」 先生「お前、向かい側の校舎を知ってるな?」 私「はい?一応知ってますけど」 先生「そこに入ったか?」 私「いえ、入ってませんけど、A君ってまさかー⁉︎」 先生は何も言わず、目を閉じました。 そして、 先生「今日、先生達はあの校舎に行くから、お前は残らず帰れよ」 と言われました。 A君のこともあり、私は学校に残り向かい側の校舎をずっと見ていました。 しばらく時間が経ち、向かい側の校舎の電気がつきました。そして、その校舎に入って行く先生も居ました。 それから20分して、校舎から出てくる先生とその先生にしがみつくように怯えているA君も居ました。 A君はそのまま救急車に運ばれて、私もバレないように帰りました。 その日の翌日、私は学校が終わるといそいでA君のお見舞いに行きました。 病室につくとA君は起きていて、いつも通りの笑顔を見せてくれました。 私「A君が無事でよかった。あの校舎に行ったって聞いてたから。」 A「うん、ごめん。」 私「私、てっきりA君が死んでるんじゃないかってめっちゃ心配したんだよ?」 A「ごめん、本当にごめん」 私「さっきから謝ってばっかり、もういいよって笑」 A「違うんだ。」 A「僕はもうダメかもしれない。幽霊に殺されるかもしれない。」 私「え、どうしたの?何があったの⁉︎」 A「僕、興味本位であの校舎に入ったんだよ。そしたら四年生ぐらいの子が数人いて、手招きしてたんだよ。それに、誘われるように僕もその子たちのとこに行ったら急に手首をガッて掴まれたんだよ」 A君の声は震えていて今にでも泣きそうだった。 私「だ、大丈夫?」 A君は頷き話の続きを言い出した。 A君「手首を掴まれて、怖くなった僕は逃げようとしたけれど、強い力で引っ張られて逃げれなかった。そして何があったのか、ほんの一瞬力を緩めたからその一瞬で逃げたんだよ」 私「でも、何で校舎からすぐ出てこなかったの・・・?」 A「校舎から出ようとしたけど、いくら走っても出口が見つからなかったんだよ。それで隠れていたら先生に見つかったんだよ」 苦笑いに話しながらも、声は震えていてかすかに見える手首は赤黒くなっていた。 それから他愛もない話をし、家に帰った。 その次の日はテストだった。 勉強のかいあってか、とても簡単に思えた。その日は掃除当番で放課後に教室を掃除していた。 ほんの10分で終わるのだが、ついつい熱くなってしまい、30分ぐらいも掃除をしていた。(時間の無駄遣いだー) と、掃除し終わった後に後悔した。と同時に気付いた。向かい側の校舎の電気がついていたのだ。 A君の話のこともあり、とても不気味に思った私は急いで帰ろうとした。 「待ってよ。」 と、背後から声が聞こえ咄嗟に後ろを見ると小学四年生ぐらいの子が数人私の後ろにたっていました。 私はたまらず悲鳴をあげ、その声を聞いてか先生達がすぐにきてくれた。 先生にどうしたといわれ、向かい側の校舎の人が来た。と言って指差してもその場所にはもういなかった。 その日先生の車で送ってもらった。 先生は私の心中を察してか何も言わなかった。家に着いた時に、「あんまり考えすぎるなよ」 といわれた。それからあの人たちのことを知らずに月日は流れ、私達は卒業することになった。 今ではA君との思い出という形で会うたびに話していた。私達が卒業してすぐ学校はあの校舎を取り壊したらしい。 後日、先生に話を聞くと あの取り壊した校舎の中には小さい子の靴が何足もあり、子どもと大人のものとみられる骨も見つかったらしい。 何故校舎の下にそんなものがあるのか知らないけれど、先生も私もA君も恐らく同じ事を思っていたと思う。 「無事に成仏できますようにー」

後日談:

  • 今思うと、さっさと校舎潰しちゃえーって思い始めました。

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