
俺の手術が近づいてきた。緊張感が漂うオフィスの一角、看護師が俺に質問をする。
「お名前を教えてください。」
「高橋 健太です。」
「手術は何か分かりますか?」
「ええ、腹部の腫瘍を取る手術です。」
「体調はどうですか?」
「問題ないです。」
「最後に食べたのはいつですか?」
「今朝の朝食です。」
「金属類は身につけてますか?」
「いいえ、特に。」
「アレルギーは?」
「ありません。」
看護師の質問が終わり、麻酔医がやって来る。「これから全身麻酔を行いますが、目を覚ました時に喉に管が入っているので、じっとしていてください。」
「わかりました。」
麻酔が効いていくのを感じながら、俺は眠りに落ちた。
夢の中で、手術を行っている医師たちの話が聞こえてきた。
「高橋さん、大丈夫ですか?」と声が聞こえる。
医師の一人が言う。「ああ、いいや、今週末に行く予定の焼肉店、あそこ美味いよな。」
「うん、俺も行ったことある!」
手術の会話は、まったく関係のない内容だった。不安な気持ちを抱えながらも、夢を見続けた。
「高橋さん、無事に手術が終わりましたよ。」と麻酔科医の声が響く。
「ありがとうございます…でも、あの、私、何か変な夢を見て…」
「それは手術中の夢です、気にしないでください。」
俺は安堵した。しかし、何かが気になった。手術から一週間後、俺は退院した。何も問題がなかったが、周囲では事故が続いていた。隣の同僚が突然倒れたり、他の社員も不運に見舞われていた。
ある日、テレビをつけると、入院していた病院のニュースが流れた。画面には俺の主治医、尾形医師が映っていた。「殺人事件の疑い」とのテロップが流れる。
俺は混乱した。麻酔から目覚めた時、夢ではなかったのか?
その時、携帯が鳴り、知らない番号からの電話が入った。
「もしもし、□□警察署の刑事です。高橋さん、尾形医師に関するニュースはご存知ですか?」
「はい、今テレビで観ていました。」
「実は、彼が自供した内容がありまして…」
「自供?何ですか?」
「手術の際、彼があなたのお腹の中に、特別な物を埋め込んだと言っています。」
「特別な物?」
「それは、彼が扱いに困った遺体の一部だそうです。」
俺の心臓が止まりそうになった。まさか…そんなことがあり得るのか?
「それに、彼が言うには、滅菌済みなので大丈夫と言っていますが…」
「滅菌は本当に信じられますか?」
刑事の声が不安を掻き立てた。そんな時、テレビがまた騒がしくなり、速報が流れた。「尾形医師が拘留中に自死」
後日談:
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