
短編
餃子の街のヒト
匿名 2日前
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不思議な人を見た話。
「餃子が食べたい!」という友達と一緒に、餃子で有名なT県のU市まで行った時のこと。
駅近くの狭い道を車で走りながら、行く予定の店を探していた。
一方通行の道が多い場所で、何度も同じ道をぐるぐるして目的の店を探していたのだが、なかなか見つからない。
おかしいねーナビだとこのあたりのはずなんだけどねー、と話しながら走っていると、前方から道の真ん中に近いところを歩いてくる男性に気がついた。
上下紫のジャージで、細身の40〜50代くらいの男性。ちょっと不思議な感じのする人だった。
道の端に車を寄せて避けたが、向こうは全く避ける気配なし。
危ない人だねー、なんて話しながらなんとかすれ違い、曲がり角を曲がりながらルームミラー越しに男性を見ていると、しばらく歩いた後にゆっくりと地面に膝をつくのが見えた。
え?何してるのと思っていると、今度はそのまま腹ばいになり、顔を横に向け地面に耳をつけた。
ちょっと何してるのかよくわからない。
友達も見ていたので、もう一回見に行ってみようと、一方通行の道をぐるりと周り、同じ道に戻ってきた。
まだ男性は同じ格好でそこにいた。
横を通りながら確認すると、目を開けたまま、耳をピタリと地面につけていた。
声をかけるのは怖く、体調が悪いわけではなさそうなので、そのまま素通りした。
なんだったんだろう。
結局友達とは、地球の声でも聴いていたのだろう、それかブラジルの人の声でも聞こえてたんじゃない?という結論で落ち着いた。
その後、目的の餃子屋にたどり着き、無事においしい餃子を食べて帰ってきた、というお話でした。
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