本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

長編
深夜喫茶「二杯の珈琲」
長編

深夜喫茶「二杯の珈琲」

2019年2月16日
怖い 438
怖くない 373
chat_bubble 9
17,750 views

俺は昔、24時間営業の喫茶店でバイトしてたんだが、その店では本当にいろんな事があったんだ。

数え切れないくらいの……その中でも特に、店の常連客でもある、通称メロンちゃん(メロンソーダばかり頼む彼女に対し、バイト仲間達が勝手につけたあだ名)という女の子が絡むと、本当に怖い体験をする事が多々あった。

今からその一部を話したいと思う。良ければ最後まで付き合ってくれ。

その日は一日中暇だった。

客といえば、いつもの常連客のメロンちゃんと、窓側の席に座る二組の老夫婦だけ。

窓を行き交う通行人を目で追いながら、俺は口元に手を当てた。

「ふあ~ぁ、さて、補充でもするか」

欠伸をしながらそう言って、俺は備え付けの紙ナプキンなどを手に取り、各テーブルを周った。

手前側から順に、補充していく。

ズレたテーブルや椅子を直し、ゴミが落ちていないかをチェックする。

やがて窓側に着いた頃。

「店員さん、」

不意にかけられた声に、俺は振り向いた。

窓側の席に座っていた老夫婦だ。70代くらい、背筋のピンとした、穏やかそうな老人だ。

「あ、はい、ご注文でしょうか?」

そう言って俺は、ポケットからオーダー機を取り出そうとした。

「あ、いや、まだ珈琲飲んでるから。それより店員さん。店員さんはこの店は長いのかな?」

何だ注文じゃないのか。俺はオーダ機をポケットにしまい、老人に向き直った。

「長くはないです。やっと半年過ぎたくらいですから」

「そうか~いや、僕ね。若い頃にはよくこの店に来てたんだよ」

「は、はあ」

老人の昔話。まあ、暇だし別に問題は無い。忙しい日はごめんこうむるが。

「若い頃はお金もなくてね。よくここでデートしたもんだよ。珈琲一杯で何時間も居座ってね。店の中に流れる曲を聞きながら、誰の歌か当てっこしたり、はは」

老人がそう言って笑うと、正面に座っていたお婆さんも目を細めるようにして、釣られて笑った。

しわくちゃな顔だが、どこか品のある、優しい笑みのお婆さんだった。

「するとね、よくここの店長が珈琲のおかわりを入れてくれたんだよ」

老人が言う。

ん?そんなサービスうちにはないぞ?

「珈琲一杯で過ごす私たちに気を使ってくれたんだろうね。うちには珈琲だけならたくさんあるから、ゆっくりして行って下さいねって。嬉しかったな~」

老人の言葉に、お婆さんがコクリと頷いた。

「店長が……」

いつもどこか抜けてて、のほほんとしている店長だが、なるほど、中々良いとこもあるんだなと、素直に思った。

1 / 4

後日談:

  • 深夜喫茶「見えない交渉」、「徘徊者」等他作品と合わせてお読み頂ければこれ幸いです。 ダラダラと怪談投稿させて頂いております。まあこういった話は好き嫌いあるでしょうが、生暖かい目でスルーしてやって下さいませ。
アバター 001_004

はじめまして、よろしくお願いします。

投稿数 11
怖い評価 6.1k
閲覧数 242k

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(9件)

コメントはまだありません。

0/500

利用規約をよく読んで、同意の上でコメントしてください。

・連続コメントは禁止しておりますが、新規登録・ログインすることで、連続コメントも可能となります。

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.1.71

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

【参加型】投稿企画・タイアップ企画

  • 禍禍女
  • 心霊スポット
  • 意味怖

一息で読める短い怪談

読み込み中...

じっくり染み込む中編怪談

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...
chat_bubble 9