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長編

深夜喫茶「二杯の珈琲」

まなみ 3日前
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 俺は昔、24時間営業の喫茶店でバイトしてたんだが、その店では本当にいろんな事があったんだ。 数え切れないくらいの……その中でも特に、店の常連客でもある、通称メロンちゃん(メロンソーダばかり頼む彼女に対し、バイト仲間達が勝手につけたあだ名)という女の子が絡むと、本当に怖い体験をする事が多々あった。 今からその一部を話したいと思う。良ければ最後まで付き合ってくれ。 その日は一日中暇だった。 客といえば、いつもの常連客のメロンちゃんと、窓側の席に座る二組の老夫婦だけ。 窓を行き交う通行人を目で追いながら、俺は口元に手を当てた。 「ふあ~ぁ、さて、補充でもするか」 欠伸をしながらそう言って、俺は備え付けの紙ナプキンなどを手に取り、各テーブルを周った。 手前側から順に、補充していく。 ズレたテーブルや椅子を直し、ゴミが落ちていないかをチェックする。 やがて窓側に着いた頃。 「店員さん、」 不意にかけられた声に、俺は振り向いた。 窓側の席に座っていた老夫婦だ。70代くらい、背筋のピンとした、穏やかそうな老人だ。 「あ、はい、ご注文でしょうか?」 そう言って俺は、ポケットからオーダー機を取り出そうとした。 「あ、いや、まだ珈琲飲んでるから。それより店員さん。店員さんはこの店は長いのかな?」 何だ注文じゃないのか。俺はオーダ機をポケットにしまい、老人に向き直った。 「長くはないです。やっと半年過ぎたくらいですから」 「そうか~いや、僕ね。若い頃にはよくこの店に来てたんだよ」 「は、はあ」 老人の昔話。まあ、暇だし別に問題は無い。忙しい日はごめんこうむるが。 「若い頃はお金もなくてね。よくここでデートしたもんだよ。珈琲一杯で何時間も居座ってね。店の中に流れる曲を聞きながら、誰の歌か当てっこしたり、はは」 老人がそう言って笑うと、正面に座っていたお婆さんも目を細めるようにして、釣られて笑った。 しわくちゃな顔だが、どこか品のある、優しい笑みのお婆さんだった。 「するとね、よくここの店長が珈琲のおかわりを入れてくれたんだよ」 老人が言う。 ん?そんなサービスうちにはないぞ? 「珈琲一杯で過ごす私たちに気を使ってくれたんだろうね。うちには珈琲だけならたくさんあるから、ゆっくりして

後日談:

  • 深夜喫茶「見えない交渉」、「徘徊者」等他作品と合わせてお読み頂ければこれ幸いです。 ダラダラと怪談投稿させて頂いております。まあこういった話は好き嫌いあるでしょうが、生暖かい目でスルーしてやって下さいませ。

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  • イイ話です、
    ハオ
  • 良い話だなぁと思ったら最後の生暖かい目で笑ってしまった。(*´∇`)
    バターオイル
  • 読みやすくて面白かった! 「本当にあった」と謳っているところだから、どうしてもそこを突くコメント多いけど、どれも事実かどうかは確認出来ないのだし。 この話は面白かったから、また読みたいです。
    するめ、
  • 生暖かい目って(笑)
    ぴょん吉
  • いい話だけど作りもの感が漂う!
    匿名
  • とても良い話ですよ^^
    うんこりん
  • コオリノさんの他のお話しも拝読。 匿名さん同様、私も実話ではなく小説かなと思います。
    レオ
  • 面白い。シリーズものなんだね。というか実話ではないとかどこにも書いてないけどw
    ろん
  • 事実ではなく。作品(短編小説)なんですね。
    匿名
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