
長編
心象風景
匿名 3日前
chat_bubble 1
16,944 views
のみで、追ってきている感じは無かった。湖面近くの大きな岩陰に座り込み身を潜めた。
…どのくらいの時間が経っただろう…少し落ち着いて来てポケットを探った。携帯電話は濡れて動いていないかった。どのみち圏外ではあったが時間を知る事さえ出来なかった。
…⁈ 車のキーが無い。逃げる時に落としたのか…それでも今あの場所に戻るなどとは考えもしなかった。日が登って明るくなるまでは…もう動く気力も無かった。ただじっと、お堂がある筈の方向を見つめていた。注意深く、ただじっと…
満月に見える月が湖面を照らし、辺りの風景と静寂が幻想的な雰囲気を醸し出していた。なぜか涙が溢れてきた。本当にこの世の物で無い程に美しく思えた。
その幻想的な風景は今でも私の心に鮮明に焼き付いている。私に向かってくる人外の巨大な影の恐怖の記憶と共に。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(1件)
- 最後綺麗にまとめてるけど車のカギを見つけて無事に帰ったの?菜々氏