
短編
占いコーナー
匿名 2日前
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私には数年前に知り合った『ミカ(仮)』という友人がいる。
ミカは小さい時から霊感があるらしく何度も怖い思いをしたそうだが、おっとりした性格のため心霊体験をしてもその時より後になってから「あ~、怖かった」とブルブル震えるような変わった子だ。
そんなミカはいつも唐突にオカルト的な事を話し出す。
「よくテレビで星座占いとか血液型占いとかしてるじゃない?ほんで、今日のラッキーアイテムは~とか書いてあってさ。運勢のいい人も悪い人も、そのラッキーアイテムを見て『よし!こうしよう!!』とか『これを持っていよう!』って思うよね?それって自分におまじないをかけてるって事なんじゃないかな。いい事がありますように~って。」
おまじないなら子供の頃よくやった。
新品の消しゴムに好きな子の名前を書いて、誰にも気付かれずに使い切ったら両想いになれる…とかね。
想いを込めて何かを願うって事よね、まじないって。
「ところで、まじないって呪い(のろい)って書くって知ってた?」
占いの話はどこへ行った?と思いながらも、漢字の件は知っていたのでコクリとうなずき、そしてハッとした。
「テレビの占いって、最終的には自分自身に呪い(のろい)をかけるよう誘導してるって事でしょ。怖くない?」
そう言われればそんな気もしてくるが、テレビ局の製作サイドにはそんな気微塵も無いだろう。
それを言ったら私が子供の頃にやっていたのは、両想いになる為に呪い(のろい)をかけていたって事になるじゃないか。
ミカは鞄に付いていたキモカワな狸のキーホルダーをいじりながらケラケラ笑っていた。
さてはそれが今日のラッキーアイテムだな。
この話を聞いてからというもの、朝の情報番組で占いを見てもラッキーアイテムなど気にしないようになってしまった。
呪い(のろい)って代償が必要だって聞いたことがあるし。
そんなミカは占いを生業としてるんだから、本当に変わり者だわ。
この怖い話はどうでしたか?
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