
短編
ダムドライブ
匿名 2日前
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これは私が高校生の時の話。
霊感体質だった私の噂を聞きつけた人達が肝試しに来て欲しい。とよくお願いしてきた頃の話。当時の私の周りには霊感が強い人が多く、自分自身は大した事ないのに何で私かな?って思いながら、付き合える範囲で同行していた。
その日は地元の山奥にあるダムまでのドライブだった。ダムの工事中、よく救急車が行き来していたし、何人か作業員が亡くなった話も聞いていた。中には生き埋めになってしまった…という噂もあり、普段から行きたくない場所だった。
なので、その場所に行くのが分かった時に、同行する友達達には「異変があったら直ぐに引き返して欲しい」と伝えていた。
ダムまでの道中は楽しい一時だったが、ダムの入り口ゲートを車で通過した瞬間から空気が変わった。あんなに口数の多かった友達が無口になった。深い霧が立ち込め、これ以上、先に進むな!と言っているようだった。その時、私の右腕に激痛が走った。凄い力で握られているのが分かった。
痛みに悶絶している私を誰も気付かない。
私はやっとの思いで、「今直ぐ引き返して!」と伝えた。異変に気付いたのか、直ぐに方向転換し、来た道を戻った。
ゲートを潜り抜けた時に痛みから解放された。でも、誰もなぜ引き返したのか理由を私には聞かなかった。異様な空気はその場にいた皆んなが分かっていたようだった。
家まで送ってもらい、着くなりお風呂に入った。凄く気持ち悪い感じがあり、早く洗い流したかった。脱衣所で服を脱いだ時、愕然とした。私の右腕にクッキリと人の手で握った跡が残っていた。
私が乗っていた場所は運転席の後ろ。右側にはドアしかなく、友達が握った可能性はない。自分で無意識に…とも考えたが、手の跡は右手…自分の右腕を自分の右手で握れる訳もない。その後、私を肝試しに誘う人達が激減したのは言うまでもない。
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- なんのための心霊スポット巡りだっ たんだろたか