
長編
ハンカチ落とし
匿名 30分前
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りと席を立とうとするBさんを見て、Aさんは少しイラッとしました。
(嫌なら嫌ってちゃんと言いなさいよ・・・・)
Aさんは、Bさんの[自分の気持ちを言葉にして相手に伝えられない所]が嫌いでした。
BさんがAさんの住んでいるマンションの同じ階の部屋に引越してきたのは、つい三ヶ月前の事でした。
離婚して母子家庭となったばかりだそうで、Aさんはお母さんに「何かと大変だろうからBさんとは仲良くしてあげなさいね」と言われていました。
Aさんも初めはBさんと仲良くしようと努力しました。
でもAさんが話しかけてもBさんはいつも「あぁ」とか「えぇ」とか無言で頷く位しかしません。
いつも喋っているのはAさんだけで、Bさんはそれを黙って聞いているだけでした。
そのうちAさんはBさんが何を考えているのかよく解らないようになりました。
段々話しかける事もなくなり、いつしかAさんも他の生徒と同じようにBさんを無視するようになっていきました。
あれからもう大分経つのにBさんは未だに何も変わっていません。
(人と話すのが嫌ならずっとそうやってイジメられてなさいよ)
Aさんは心の中でBさんのへの悪態をつきました。
するとBさんの視線が急にAさんの方へと向きました。
(えっ!?)
思わず目を逸らしかけましたが、よく見ると心の声が伝わってしまったという感じではないようでした。
不安そうな表情で何かに縋るような目でこちらをじっと見つめています。
(・・・・まさか今更私に助けを求めようっていうの?)
Aさんの苛立ちは徐々に高まっていきました。
「ちょっと!何やってんのよ早くしなさいよ!」
一向について来ないBさんの元に、Eさんが怒りを顕にしながら駆け寄ってきました。
そしてBさんの視線がAさんに向いているのに気づき、Aさんの席まで近づいてきました。
(ちょっと、私は関係ないってば!)
Aさんの心の声も虚しく、Eさんは席の目の前まで来て立ち止まりました。
「・・・・何?なんか用でもあるの?」
「・・・・い、いや、別に」
Eさんはクラスの中でも影響力の強い存在でした。
下手に歯向かえば今度はAさんがイジメの対象になりかねません。
Aさんは焦りました。
ここはどうにかしてやり過ごさなければと考えていた時でした。
「・・・・いいや、ちょうど人数ももう少し欲しいなって思ってたとこだし」
「・・・・・・・えっ?」
一瞬の間が空いたあとに、Aさんの表情が一層険しく
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- そもそも運動神経がわるいんだったら走り込みをすればいいじゃんかあいふ
- そもそも運動神経がわるいんだったら走り込みをすればいいじゃんかあいふ
- Bさんのメンタルが弱すぎるあ
- まあまあ良かった。 おもろかったよ。 こういう長文の方が読み応えあって良き名無し
- Aさんは何処い・・・・墓場
- みんなが行方不明になっているのにAさん目線はどうなっているの名無し
- Bさん流石にちょっとやり過ぎかなぁと思った。 ハンカチ落としを素直に断らない所やAさんが助けてくれると勝手に思っちゃってる所とかなんか嫌。大学芋
- 死んだもん勝ちだね。。
- クッソこええ 夜中トイレいけなくなったぞ! どうしてくれるんだ!!伝説のサバイバー
- いじめる方も難あるけどね愁水@凛