これは私が一ヶ月ほど前に体験した話です。 といっても私はほとんどあの時のことを覚えていないので、のちに友人から聞いた話です。 その日は高校卒業の日でした。みんな泣きながら両親への感謝なんかを話して、先生も涙ながらに歌を歌ってくださったり、素晴らしい卒業式でした。 だから、あんなことは、こんな素晴らしい日に起こってほしくなかった。 私のクラスは17人で男子は4人と珍しい少人数クラスでした。 あらかじめ、卒業式の日の夜は親も先生も呼んで、ホテルを借りて宴会をやる予定でした。なので、みんな、卒業式の後に、泣きながら、また後でね！なんて笑いながら別れました。夜の6時くらいになって、だんだんと決められたホテルにみんなが集まって来ました。私は親が宴会に参加しないので、友人に家まで迎えに来てもらって、一緒に会場に行きました。主催のクラス長の子を除けば一番乗りで、とてもワクワクしていました。宴会は予想通りとても楽しく、いっぱい食べていっぱい笑って、最高でした。 さて、本題はここから、宴会にはクラスの人のほとんどが参加しましたが、泊まりの人は、ほとんどいませんでした。かくゆう私は一緒にきた友人と一緒に泊まる予定でした。といっても2人部屋とかではなく、借りた部屋は合計2部屋で、男子4人の部屋と女子5人の部屋でした。温泉に入って、おつまみ食べて、ワードウルフして、12時ごろまで女子でワイワイ遊んでいました。と、突然、ドンドンドン！という音がして部屋がたたかれました。隣の部屋は男子の部屋だったのできっとあっちもふざけているのだと思い、無視しました。しかしまた、ドンドンドン！とやって来たので、あ、これわざとだ。と察し軽くコンコンして返しました。するとまた音が返って来て、やはりあちらも起きているらしく、友人がLINEでワードウルフに誘い、男子3人がこちらの部屋に来て一緒にワードウルフをすることになりました。ちなみにもう1人の男子は音ゲーに夢中で来ませんでした。その後ワイワイやって、3時に男子が帰っていき、そろそろ寝ようといえことで、一列に布団を並べ、ました。部屋の奥からMちゃん。Aちゃん。Hちゃん。Rちゃん。そして私という順番で寝ることになりました。扉は引き戸で、HちゃんとRちゃんの足元にあります。 ここから私視点と友人視点で話が変わって来ます。 まず私視点 ちょうど土曜日で、みたいアニメがやっていたのでそれを見たら寝ようと思いNetflixでアニメを見ていましたが、やはり、疲れていて、途中でやめて寝ることにしました。寝ていると、突然「Lちゃん！！」（私の名前）肩を揺さぶられ起きると、HちゃんとRちゃんが起きていてこっちに来ていました。どうしたのか聞くと私は苦しそうに寝言を言っていたそうです。いつもは寝言など言わないので、こわーい！！とか冗談ぽく言ってHちゃんとRちゃんの間に入っていってそこで寝ました。ただその2人は眠くないらしく、何度も私の名前を呼んできて、そこにMちゃんも起きたらしくくわわって、何度か起こされました。感覚的に、10回以上起こされたと思います。その後起きた3人は寝ないと決めたらしく、はじに寄せたテーブルでお菓子を食べるといって、私に奥の毛布が開いているのでそちらにいってと言われて、唯一寝ているAちゃんを跨いで、1番奥のところで寝ました。朝起きると。私とAちゃん以外はげっそりしていたので、だからなればよかったのにと思っていました。朝食の時間。3人は私に昨日のことは覚えているかと何度も聞いてくるのでわけを聞くとなんと私がずっと起きていたというのです。 友人の視点 Lちゃんが苦しそうにうめいていたので起きて、揺さぶると全く覚えていないらしく、こわーい！といってHちゃんとRちゃんの間に入って来ました。その後もLちゃんは寝られなかったらしくずーっとハイテンションでニコニコと話し続けていました。真夜中なのに近くの遊園地に行こうと言ったり、急に怖い話の動画を見始めたり。普通にトイレにもいっていました。そのハイテンションぶりに1番奥のMちゃんも起きて来て、時々静かになるLちゃんに起きてる？と聞いたりしていました。Lちゃんはすわったまま急に反応しなくなったりするので、面白くて3人で見ていました。途中でやっと寝たのか、Hちゃんの布団の中で丸くなって反応しなくなりました。30分くらい経った時。Lちゃんは急に立ち上がって元々寝ていたところに行って寝始めました。急に起き上がったし、さっき怖いと言っていたのに、サッと立ち上がったのでみんなびっくりしました。その後3人は眠れなくなってしまい、Lちゃんに奥の毛布のところに行って寝てくれと頼みました。奥のところにいったLちゃんはモゾモゾしていましたがまた寝始めました、ですがその数秒後、バサッと音がしてLちゃんのかけていた布団の足のあたりが浮いていました。3人共驚いていると布団は沈んでいき、元に戻り、それ以上何かあるということはありませんでした。ただ朝起きたLちゃんは自分が起きていたことを覚えておらず。ぐっすりよく寝たと言っていました。それだけでも怖いのに、1番怖いことがありました。それは、LちゃんがHちゃんとRちゃんの間にいて、Mちゃんが起きて来た頃に、男子の1人からLINEがMちゃんのところに来て、どうやらさっき遊びに来たときに、スマホの充電器を忘れたようで、取りに来るとのことでした。その男子が部屋に取りに来た時もLちゃんはハイテンションでおしゃべりして、その男子にも、何しに来たの？今何時？などと会話していたのですが、それについて朝になって聞いた時、Lちゃんはハイテンションおしゃべりの時間のことはごっそり記憶から抜けているのに、「覚えてるかも」といいました。3人共あ、それは覚えてるんだ。と思いました。でもその後Lちゃんはこう言いました。「◯◯くんと喋った覚えは無いけど、確かに男子来たのは覚えてる。扉のとこにこうやって経ってたよね？」そう言ってLちゃんが扉のところに立つのを見て、3人共ゾッとしました。その男子は扉に寄り切るようにして、扉からこちらに顔だけ出して、手を伸ばした格好で充電器を受け取ったのですが、Lちゃんは扉の前で仁王立ちしていたのです。しかもありえないことに、Lちゃんの覚えている男の身長は、扉の上にあたまがつきそうなくらいだったらしく、測ってみると2メートルはありました。来た男子は良くて180センチ。2メートルの扉に仁王立ちした男とは誰なのでしょうか。Lちゃんは後ろの光の逆光で男は真っ黒に見えた。映像で覚えているわけではなく、みんなに男子が充電器をとりに来たのを覚えてるかと聞かれたときにパッと頭に出て来たのがそれだったそう。 私は友人の話を聞いてゾッとしました。 今でもあの男のことを鮮明に覚えています。それが同級生の男子でないなら、そいつはいつ、どうやって見たものなのでしょうか。