
(「総合的な学習の時間で「音の観察」をする子どもたち」の続き)
・・
子どもたちと話しているときは意識してなかったが、4人の耳にはやはりあの不気味なチャイムが聞こえていた。
池の奥側に行くと、子どもたちと話している20代後半くらいの若い男性がいた。
おそらくこの子たちの担任教師だろうと想像できた。
4人が何気なく近づくと、ちょうど子どもたちが教師から離れて観察の続きに入った。
4人は教師に声をかけた。
「こんにちはー。」
教師は、一瞬誰だろうという顔をしたがすぐに明るくにこやかな表情になり
「こんにちは。高校生かな?」
4人は制服姿なのですぐに分かったようだ。琴音は
「はい。私たち高校2年生です。」
教師は
「高2か。進路を決める時期だね。みんなしっかりしてるし将来が楽しみだ。
ところで課外活動か何かかな?」
4人はまさか高校を抜け出してきたとは言えないので、琴音は
「まあ、そんなところです。」
教師は、気づいていたのかもしれないがあえてそれ以上は聞かなかった。
「ふーん。そうか。ところでみんなは音を見つけたかな?」
音楽活動に熱心な桜子は改めて音の定義を知りたくなり、
「音を見つける?そもそも音ってなんですか?」
すると教師は
「音とはね、自然界の命あるものの営み、それが音なんですよ。心臓も絶えず動く音が聞こえるだろう?機械も動く音がある、風も音を作り出す、音楽は音によって空間に命を与える。そう音があるものには全て命が宿っているんだ。」
桜子は、
「ふーん。言われてみれば。」
すると舞歌は、
「では、先生。私たちが気になっている音があるんです。」
陽菜も
「そうなんです。鳴り終わらない音が。」
4人は、高校でのこと、いつまでも聞こえ続けるチャイムのことを教師に話した。
一通り話が終わると教師は、
「その音は実際に聞こえているのではなくて、あなた方の心に響いている音ですよ。」
そう教師が言った瞬間、あのチャイムは全く聞こえなくなった。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。


