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人形の行く先
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人形の行く先

5時間前
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ある冬の日、友人と会うために家を出た私は、自宅近くの閑静な住宅街を歩いていた。周囲は静まり返っており、空は青く晴れ渡っている。歩いていると、先のブロックに設置されたゴミ箱が目に入った。

そのゴミ箱は、最近新しく設置されたもので、周囲の住宅とは一線を画すしっかりした造りだった。私は、ふとした好奇心から近づいてみることにした。「こんな立派なゴミ箱、どうして今まで無かったんだろう?」心の中でつぶやきながら、ゴミ箱の横を通り過ぎた。

用事を済ませて帰路に着くと、先ほどのゴミ箱が再び目に入った。今度は何かが捨てられているのに気がついた。それは焦げた日本人形だった。顔は美しいのに、着物の下半分が焦げている。何か不気味な気持ちになり、私はその場を急いで離れた。

夕食を終えた頃には、その人形のことなどすっかり忘れていた。しかし、翌朝、薄曇りの天気の中、駅へ向かう途中、再びゴミ箱のことを思い出した。「あの人形、まだあるのかな?」気になり、横目でゴミ箱を覗き込んでみたが、人形は見当たらなかった。ほっと胸を撫で下ろし、急いで駅へ向かう。

その夜、寒さと雨音に包まれながら、早めに布団に入った。YouTubeを見つつ、いつの間にか眠りに落ちていた。しばらくして目を覚ますと、雨の音の中に奇妙な音が混ざっているのに気がついた。「グルル…ウぉううッ……」それは何かの声のようだ。まるで猫の喧嘩のようだが、もっと異質な響きだった。

音の正体を確かめるために窓を開けて外を覗く。すると、街灯の下に何かが動くのが見えた。薄暗い中、目に飛び込んできたのは、あの焦げた日本人形だった!下半身を引きずりながら、まるでこちらに向かって這ってくるようだった。恐怖で動けない私。すると、部屋の中で飼っている猫が突然鳴き出した。あまりの驚きに、私は慌てて窓から離れた。人形は何事もなかったかのように、再び音を立てながら遠ざかっていった。

あの人形は、自分を捨てた持ち主の元へ帰ろうとしていたのだろう。翌週の土曜、晴れた朝、ベランダで洗濯物を干していると、霊柩車が住宅街の先に停まっているのを見かけた。誰かが亡くなったのだろうか。親族らしき人々が車に乗り込む中、一人の高齢女性が日本人形を抱えていた。霊柩車が走り去ると、ふと焦げた匂いが漂ってきた。私は、ただの人形ではなかったのかもしれないと感じ、ぞっとした。

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