
長編
賭け
匿名 5日前
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て。一週間前なんて落ち武者の霊に殺されかけたもん、ほらこの傷」
そう言ってパシリさんは腕にうっすらと出来た傷というよりミミズ腫れを見せる。
言っちゃ悪いが、幽霊による傷とは思えない。
「これ、刀傷なんすか?」
「刀じゃなくて槍だったな。馬に乗ってた」
「あのさあ、じゃあ馬の幽霊も一緒だったってこと?」
「知らねーよ。そうなんじゃないの? いやあ、ギリカウンターが入らなかったらやられてたね」
「お前、幽霊殴れんのかよ」
「殴れねーなら、どうやって退治すんだよ」
もう、お互い何を言っているのか分かっていないんだろう。
端から見てると頭がおかしい人たちみたいだ。
僕たちが頭がおかしくないとは言えないが。
「じゃあ聞くけど――」
――お前エネルギーって言葉、知ってるか?
その落ち武者とやらがいたとして、何百年前の人間だ?
その幽霊とやらが本当にいたとして、そいつのガソリンは一体何だ?
エネルギーが切れたらどんな生物も動くことはできねえんだよ。
ほとんどの生き物はタンパク質か糖分で外殻が構成されてるんだけど、幽霊の構成物質はなんなんだよ。
言ってみろよ。
主成分をよ。
あ、幽霊は動けるのに動物じゃねえのか。
わりいわりい。
もし幽霊なんてモンが本当にいたとしたら、ノーベル賞物だよ。
だってほぼ永久機関だろ。
何百年前の人間の思念がその形態を変えず、未だに存在し続ける。
しかも、しかもだ。
お前に傷を負わせるんだもんなあ。
物理的な干渉が可能なわけだ。
電力会社にでも売り込めば、億万長者間違いないぞ。
原子力エネルギーなんかよりよっぽどクリーンだ。
国中、いや世界中の環境保護団体がお前を支援してくれるぞ。
よかったな。
ホントにいるなら何で誰も研究しねえんだろうなあ。
幽霊信じていない俺にはさっぱりワカンネエヨ。
「はいはい。大学生は賢う御座いますね。だがな――」
――誰がそんな言葉で納得するかよ。
あのな、幽霊がいないって言ってるヤツは根本が間違ってる。
メリットだけを探そうとしてんだ。
こんな話知ってるか?
死後の世界が「ある」か「ない」かをギャンブラーが賭けたんだとよ。
そいつは「ない」方に賭けた。
だけどな、「ある」方にかけた方が「ない」方にかけた方よりはるかに得なんだ。
なんでか?
それは「ある」方に賭けて外れても失うものがない。
ただ死ぬだけだ。
だが、「ない」方に賭けてみろよ。
「ある」場合は負けて、「ない」場
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- 途中の師弟関係的なグダグダ感がないと、もっと読みやすいぴょん吉
- 最後まで読む気がしないまい
- 話し手が一番「パシリさん」だと感じたのは俺だけ?おもち
- 私の父が昔、コックリさんやって頭おかしくなった人がいたからコックリさんだけはやめなさいって言ってた。はぁと
- 話しの無駄が多い。オカルト好き
- 途中の解説だるキムキム
- この話結構好き
- わかる匿名
- 確かにめんどくさい
- めんどくさい