
長編
カラオケ店のメリーさん
匿名 2日前
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な言葉で、辛うじて意味は分かったがそんなことを言っていた気がする。もう恐怖で何を言われたかよくは覚えていないんだ。
友人は何とか首だけ回せるみたいで、後ろを振り返った。それと同時に両目をカッと見開いて倒れた。瞬時に「次は自分に来る」と分かっていた。そして案の定、気がついたら後ろにいて、先程と同じように、「殺してやる」と言った。
一瞬首が反射的に後ろを振り返ろうとしたが、
(振り返ったら友人と同じ目に遭う!)
と思い、正面を向いたまま、半年前ほどに何故か憶えた「般若心経」を唱えようとした。
しかし、金縛りによるものか恐怖によるものか、
体が酷く震えて声が出せなかった。
正確に言うと、声を出そうとしても、喉で音を生成できず、そのまま空気が口から出ていくんだ。まるで溺れかけた後に必死で呼吸しているかのようにね。
その間にも後ろからは「殺してやる、殺してやる」
のような言葉をと何度も何度も繰り返していた。
今できることは、こいつと目を合わせないことだけだと思い、ぎゅっと固くまぶたを閉じた。
声が近づくのがわかる。
ついには、ありもしないその「物体」の冷たささえ感じた。
その時一際強い「その言葉」を言い放ち、やつは消えた。金縛りも解けた。
それと同時に私は地面に手を着いた。店員も、外の子供たちもやってきた。
店員は友人のために救急車を呼んでくれて、
子供たちは私に向かってこう言った。
「お兄さんはメリーさんの呪い効かなかったんだね!」
その後救急車が到着して友人は運ばれ、私は子供たちにどういうことかを尋ねた。
彼らいわく、ずっと前からこのカラオケ店には、幽霊が出るらしく、その幽霊は必ず後ろまで移動していく。そして、後ろを見ようと振り返った者はたちまち気絶してしまう。
その様子から、子供たちはいつしか「メリーさん」
と呼ぶようになっていたという。それで、いつもこうして、メリーさんが現れるのをみんなで見ていたんだとか。
どうやらそのメリーさんとやらは、カラオケ店の外には出れないらしく(正確には出たのを見た事がないらしい)。私はとりあえ安心して帰路についた。
しかし翌日、メリーさんは現れた。私の学校に。
私は理系だが、やる内容によりクラスを分ける。私は上の階のクラスで授業を受ける組で、2時間続きの授業の少しの休憩時間に、別の友人と下の自分たちの教室に行って、化学のプリントを取りに行った。
プリントを取り、帰
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