
長編
恐怖の鐘の音(漫画の元ネタ)
匿名 3日前
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分けられるが、このトンネル内の二枚の写真はフラッシュを焚かずに撮ったもので、オーブの形も歪。つまり霊的オーブ。雨天でもないのに撮れたということは、未だに遍路の霊はトンネル内に留まっているのだろう。
そんな人道トンネルで平成前期頃、摩訶不思議且つ、恐ろしい現象が起こる。
ある時期、市内の某学校で奇妙な噂が立った。人道の方の三津坂トンネルを夜、通ると鐘の音がどこからともなく聞こえることがあり、それを8回聞き終える間、且つ、8分以内に通り抜けないと異界に連れ去られる、と。
如何にも学校の怪談風だが、ある日、その学校のA君は部活で帰りが遅くなった。市内の中心部に近い各学校は皆、西部地域にあるが、A君の自宅は東部地域だった。つまり自宅へ帰るには必ず三津坂トンネルを通らなくてはならない。
A君も前述の噂は聞いていたが、都市伝説の類だろうと思って、大して気には止めてなかった。が、いざトンネルの入口まで自転車で来ると、何か胸騒ぎを覚えた。
しかし「いやいや、そんなことはない。」と思い直し、トンネルへと入る。が、何かいつもと違う雰囲気があった。どこがどうと言う訳ではないが、じめっとした空気が身体に纏わりつくような感覚があった。
何メートルか進むと、いきなり「ゴーン!」という鐘の音がトンネル内に鳴り響いた。
「え!?どういうこと?この近くに寺らぁ(寺など)ないのに。」とパニくるA君。
考えている間も「ゴーン、ゴーン」と鳴り響く。A君は更に焦る。鐘の音の鳴る間隔が、予想より短かったのだ。
「いかん、早う出んと(早く出ないと)。」と、ペダルを勢いよく漕ごうとしたが、なぜか急にペダルが重くなり、スピードを上げることができない。
「ゴーン、ゴーン」と無情にも鐘の音は続く。
A君は汗をダラダラ流しながら、必死に立ち漕ぎして前に進もうとする。
「ゴーン、ゴーン」何か鐘の音の鳴る間隔も早まっているように感じられた。
「い、今、何回鳴った!?何分経った!?」と、血の気も引く思いのA君だが、一心不乱にペダルを漕いだ。
そして「グゥオオオオーーーン」と、特に大きく長い鐘の音が響き渡った。
「出口はもうそこや!」と出口に向かうA君。
「ゥオオオオオーーーーン」鐘の音は小さくなっていった。
「いかん!もう終わる、もう終わる。」と鳴り響く中、A君は・・・・。
ハッと気づくと、トンネルから出ていた。後ろを振り返ると、トンネルは静まり返って
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