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お題 中編
ガラス越し
ガラス越し
お題 中編

ガラス越し

13時間前
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これは、小学生の頃、東京から転校してきた友人から聞いた話だ。

彼が通っていた東京の小学校では、校舎の建て替えが決まり、翌年から仮校舎で学校生活を送ることになっていた。

解体される前の春休み、仲の良い数人で最後に校舎へ忍び込み、思い出を作ろうという話になった。

誰かが「せっかくだから肝試しをしよう」と言い出し、みんな賛成した。

その校舎には地下があり、東京大空襲の写真や遺品が展示された資料室と図工室があった。

地下の廊下の途中には、女の人が描かれた大きな絵がある――そんな話をみんな知っていた。

そこで肝試しでは、その絵の下に一人ずつ違う種類のシールを貼ってくることがゴールになった。

翌日、それぞれのシールを確認し、本当に全員がたどり着けたか確かめようということになった。

シールはアニメのキャラクターだったり、星だったり、動物だったり。

「これなら絶対俺のだって分かる。」

そんな話をしながら笑い合っていた。

中には、

「夜中の2時になると、あの絵の顔が笑うらしいぞ。」

と噂話をする者もいた。

「そんなわけあるか。」

「じゃあお前、2時まで残れよ。」

「それは無理。」

結局、みんな笑っていた。

当日も終始明るい雰囲気だった。

「あの蛍光灯、マジでえぐい。」

「地下、意外と怖くね?」

「足音めっちゃ響くじゃん。」

一人ずつ地下へ向かい、戻ってくるたびに感想を言い合う。

「あの女の絵めっちゃ視線感じた」

「すごい不気味だったね」

「ちゃんと貼った?」

「もちろん。」

「本当に全員たどり着けてんのか?」

「明日確認しようぜ。」

誰もが、ただの思い出作りだと思っていた。

---

翌日。

約束どおり全員でもう一度校舎へ入り、地下へ向かった。

しかし。

昨日見たはずの絵は、どこにもなかった。

「……え?」

「俺、絶対ここに貼ったぞ。」

「いや、おかしいって。」

「ここだったよな……?」

みんな口々に言い始める。

すると、一人が廊下の先を指差した。

「……おい。」

全員が振り向く。

資料室の扉には、小さなガラス窓がはめ込まれていた。

その窓の下に、昨日持ってきたシールが一枚残らず、きれいに貼られていた。

「……誰かが貼り替えたのか?」

誰も返事をしない。

しばらく沈黙が続いたあと、

「先生に聞いてみよう。」

誰かがそう言った。

みんなは職員室へ向かった。

片付けをしていた年配の先生に尋ねる。

「地下にあった女の人の絵、もう片付けたんですか?」

先生は少し考え、不思議そうな顔をした。

「絵?」

「資料室の前にあったやつです。」

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はじめまして、よろしくお願いします。

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