
私が高校生の頃、同窓会の帰りにふと思い立ち、廃校となった母校に足を運んだ。
懐かしい気持ちに浸りながら校舎の中を歩き回っていると、かつての担任である佐藤先生とばったり出会った。彼は今もこの地域で教鞭を執っているとのこと。
「佐藤先生、久しぶりです!」と声をかけると、彼は私を見て驚いた様子だったが、すぐに笑顔を見せた。
「おお、君か。元気にしてたか?」
私は少し照れながら、近況を報告したり思い出話をしたりした。すると、ふと、子供の頃の疑問が頭をよぎった。
「先生、昔、18時以降は絶対に帰るようにって言われていましたが、あれはどうしてなんですか?」
佐藤先生の表情は一瞬硬くなり、そしてゆっくりと口を開いた。
「それは、昔に起きた事故が原因なんだ。」
驚いて聞き返す。「事故?どんな?」
「この学校では、ある生徒が…いや、実際にはその生徒の存在が、何か不気味なものと関係していたんだ。」
佐藤先生は続けた。「かつて、鉄棒で怪我をした子供たちがいた。彼らは皆、ある特定の技を教わっていたんだが、その教えを伝えていたのは実在しない子供だった。」
私は混乱した。「どういうことですか?」
「その子は、普通の生徒ではなく、幽霊だったと言われている。実際に目撃されたこともある。生徒たちは、彼に「特訓をしよう」と誘われ、18時を過ぎても帰らなかった。」
「それで、みんな怪我をしてしまったのですか?」と尋ねると、佐藤先生は頷いた。
「そうだ。だから学校は鉄棒を撤去した。しかし、今でもその教えは続いている。」
私は恐怖を感じた。「今でもって、どういうことですか?」
「他の学校では、同じように怪我人が出ている。だから、18時以降は帰るようにという教えが残っているんだよ。」
私は背筋が寒くなった。「でも、もうその教えは必要ないのでは?」
佐藤先生は目を細め、静かに言った。「いいや、まだ必要だ。あの幽霊は今でも出ているから。子供たちはそのヒミツに惹かれて、帰る時間を忘れてしまう。」
その言葉を聞いて、私は思わず身震いした。廃校の静けさが一層不気味に感じられた。夜の闇の中、私たちの身の回りに何かが潜んでいるような気がした。
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