本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

長編

見ない方がいい…

えい 2018年1月24日
怖い 606
怖くない 463
chat_bubble 8
19,194 views
友人 (S)は 海釣りが好きで 好きすぎて 船舶免許を取得して 小型の船を買って 良く 海釣りに出掛けていきますが……たまに巻き添えを食って?私も連れて行かれたりします。 竿やら餌やらその他備品は 釣具屋を開けそうなくらい持っているので ほぼ手ぶらで行けるのがいいと言って 他の友人も良く行ってるみたいです。 そんなSとSの友達の話です。 その日はSが一人で釣りに出掛けるのに 船に荷物を積んでいると 別の友人UとHが来て 自分たちも行くから 乗せろと言って来たそうで Sも一人より 他に人がいた方が 何かと面白いと思い二人を乗せて 三人で 沖に出た。 釣りをするポイントは 無人島の近くの切り立った岩の影辺りに船を停め 碇を降ろす。 三人は 誰が一番 大物が釣れるか?と言って 釣糸を海へ投げた。 大物を狙っていた三人でしたが その日の釣果は余り良くなく 釣れても 20cmくらいの雑魚が釣れるくらいで大物らしい大物は釣れなかったので Hが 場所変えようといい Sもそれに賛同して場所を変える為に 碇を上げて 船を移動させて沖合いを走っていると 釣り仲間の船が 小さな島の脇に停まっていたので そちらに船を走らせた。 S 「こんちは‼ 何か釣れました?」とSが聞くと船の裏から 真っ黒に日焼けした 一人の男が出てきて ニヤッと笑った後 でっかい真鯛を両手に持って見せた。 H 「でっけ~ぇ‼」 U 「うわぁすげ~ぇ‼」 S 「何処で?」 男 「この先に 長細い島があるだろ?あの500m手前辺りだよ。」と言って 北東方向を指差した。 H 「ヨシッ行こうぜS!!」 U 「俺らも鯛釣りに行こうぜ ‼」 S 「男さん ありがと‼男さんよりデカイの釣って来ますよ ‼ 」そういって Sは船を走らせた。 H 「S エビ持って来てるか?」 U 「何でエビ?疑似餌でも良くね?」 H 「バカ!鯛は昔っからエビで釣れって言葉知んないのかよ?」 そんな二人の会話を聞いてたSが笑いながら S 「エビ持ってきてるよ。けど別に 疑似餌でも釣れるぜ?」と 言ってクーラーボックスを指差した。 H 「なんだよ。お前ら ノリ悪っ。」 U 「まぁまぁ…疑似餌で釣れんかったら エビで釣るから(笑) 」 S 「エビと疑似餌で競争だなっ‼」 H 「うぉっしゃっいいぜ‼ぜってぇエビで釣ってやる‼」 U 「んじゃ 俺とSは疑似餌なっ。」 そんな事を話してるうちに Sの船は さっき男が言っていたポイントに着いた。 U 「よっしゃっんじゃ釣ろうぜ‼」と言ってまた三人で 海へ糸を投げる。 暫くすると Hに当たりが来た。 H 「ほらみろ‼鯛はエビだって⁉」と糸をリールで巻いていく。 U 「まだ 鯛と決まったわけじゃないからなっ‼」 S 「引き上げてからだなっ‼ 」 H 「もうすぐで上がるし(笑)」 Uが 海面を見ている。 Hの釣った魚がチラチラと見え隠れして 浮上して来る。 Sも海面を見ている。 そして 完全に 魚影が上がって来る。 H 「よ~っしゃっあ ‼ 見ろっ鯛だ‼鯛‼」嬉しそうにはしゃぐ Hを見てた Uだったが Uの竿にも当たりが来た。 U 「おっ ?!俺にも来た !! 」と言ってHの方を見る。Hは鯛から釣針を外しながら横目でUを見て H 「まだわかんねぇよ。」と言って海面を覗き込む。魚影が微かに見えて浮上して来る。 S 「おっ‼やったなぁU !!」と言って タモで鯛を救い上げる。 U 「なっ。疑似餌でも釣れんだよ。」と 得意気にHを見た。 Hは不満そうな顔をして 島の方に目を向けた。 その時 Sの竿にも当たりが来て 三人とも鯛を釣り 結局 エビでも疑似餌でも どっちでも釣れるという事になった。 で その後も 三人は大小異なるが ある程度の釣果を上げた所で 帰ろうという事になり 船のエンジンを掛けようとした時 島の方を見ていた Hが島の砂浜に 打ち上げられている 船を見付けた。 H 「なぁ…あの船 無人なんかなぁ?」言われてSとUも島に目を向ける。 斜めに砂浜に打ち上げられている船が見えた。 人の姿は確認出来ないが 言われると気になりはじめ…三人は近くまで Sの船を寄せて見た。 だいぶ 近くまで来ても 船は波に打たれ揺れているが 人の姿は見えない。 S 「誰かいますかぁ !! 」とSが叫ぶが誰も出て来ないし 来る気配もしない。 なので 帰ろうといい 船の向きを変えると 先程 あった男の船が此方に向かって来るのが見えた。 釣果はどうだったのか?気になった様子で 見に来たんだと言ってた。 釣果は三人とも良かったので そう伝えると 島に打ち上げられている船を見てた俺達に 男 「あの船に関わるなよ?」といって来たので三人はどうして?と聞き返すと 男はただ 「 関わるな。 」とだけ言って 船を走らせて 帰ってしまった。関わるなと言われても 気にはなったので 底に船板をぶつけない手頃な岩場を見付け 碇を降ろし 岩場にロープを掛けて縛り船を固定して 三人は島に上陸した。 船の傍まで来た時 Sが「のむ爺さんの船だっ‼ 」と言った。 HとUは Sに 知り合いか?と尋ねたら Sは そうだと 答えて 船上に上がった。 三人で船上に上がり 船に付いている生けす等も見て回り のむ爺さんを探したが見付からなかった。 のむ爺さんは 野村という名字で お爺さんだったので のむ爺さんとみんなが呼んでいて Sもそう呼んでいた。 結局 船は故障か何かで 放置してあるんだろうと思ったが……Sには一つ気になる事があった。 のむ爺さんは 漁業で生活している筈なのに 船上に 網もブイもなく 生けすも空だった事が気になった。単に網を仕掛けた後って言われたらそうかも知れないけど 見渡しても ブイは何処にも浮いていない。 魚も一匹もいなかった。 いつもなら 網は無くても 魚が生けすに入ってる。いつもそうだったんだから 間違うはずは無い。じゃあ何で 船だけがここにあるのか? 海に落ちた?いや 爺さんは 70年間 漁業で暮らして来てる ベテランだ。落ちるはずは無い。 H 「そういえばさぁ さっきのオッサン なんでこの船に関わるなって言ったんだろうな?あのオッサンもSの知り合い?」と言われて Sは そういえば…誰かと勘違いしてた気がするといってた。 だとしたら あの男は誰なんだ?と三人で首を捻った。するとUが そういえば…と何か思い出した様に言った。 U 「最初にあったじゃん。あの場所でさぁ 俺見たんだよ。あの時 裏の方から出てくる時 網みたいなモノを海の中に落としたんだよね。話し掛けた俺達に驚いた感じで……」と言って沖の方を見てヒッと変な声を出した。 SとHは 同時に沖に目を向けて 驚いた。 さっき帰ったはずの 男の船が 少し離れた海の上に停まっていた。 三人は 顔を合わせた後 急いで船に戻り ロープを外し エンジンを掛けた 船の向きを変えようと あの男の船の位置を確認しようと 目を向ける。 H 「あのオッサンなんか気味悪いよな?」 U 「最初にあった時も あんま喋んなかったしなっ。さっき帰った筈なのに…なんか見られちゃマズイものでもあんのかね? 」 S 「何で話し掛けたか分かったわ。」 HとU 「 はぁ?」 S 「俺があのオッサンに話し掛けたのは あの船は……Kさんの船だ‼」 H 「は?そんじゃあのオッサンは そのKさんか?」 S 「違うっ‼Kさんは あんな黒くねぇし 背も低い !!」 U 「じゃああれ誰だよ?」 S 「知らねぇよ!そっそうだ 裏から回って最初の場所に行ってみよう。」 H 「あのオッサンに話し掛けた所か?」 Sは無言で頷いて 船の向きを変えて 島の裏側へ走らせた。 男の船は さっき見た時と 少しも変わらない場所にあった。男は 操縦席に居て 此方を見ていた様な気がした。 U 「行くのは 構わないけど あのオッサンが先回りしてるって事は無いのか?」 S 「多分 大丈夫だと思う。」 H 「なんで?」 S 「裏にも釣りスポットあるし…俺らがただの釣り好きなヤツらだと思ってるなら 来ないと思う。」そう言って Sは速度を上げた。 波に乗って 飛び上がる体を押さえつつ あの場所の裏まで来た。 岩と岩の隙間から 表を見渡したが あのオッサンの船は見当たらなかった。 もしやと思って後ろを見たけど ついて来てなかった。 海面を見ると 真っ直ぐに 船が走り去った 波の跡がスジ状になって見えていた。 俺達の船は オッサンが何かをやってた場所まで来ると HとUが辺りを怪訝な顔で沖を見ていた。Sは 棒を取り出し 海面に落とし グルグルと回した。 すると…網が棒に引っ掛かり 力任せに引っ張ると……「うっ⁉ 」と低く呻いた。 HとUは Sが呻いたので 何があった?といってSがいる方に歩いて行こうとしたら Sがボソッと言った。 「 見ない方がいい… 。」 その言葉を聞いて 何となく分かったんだ。 あのオッサンが乗ってた 船の持ち主と あの 野村って爺さんは あのオッサンに殺されてたんだって……。 そうだろう?って Sに言うと黙って 頭を左右に降った。 何かを言い掛けたが 有り得ないとだけ呟いて Sはスマホで 海上保安に電話してた。 その後 色々 海上保安の人に聞かれたが 俺とUは 船の持ち主も野村って爺さんも知らなかったから 早く開放されたが Sは知り合いだったからか ちょっと時間が掛かった。 その後 地元の警察が来て また 同じ事聞かれた。 警察から聞いたんだけど… 網に絡まって 亡くなってた人は 三人だったって……じゃあ あのオッサンも? 事故か事件か分からないって…言ってた。

後日談:

  • 読み難かったらすみません。普段使わない言葉とかを書いたので…おかしい所 あったら教えて下さい。【実話です】余談ですが……私はSの釣りに付き合わされた時 土左衛門を釣った事があります(泣)しかも!2回も(涙)

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(8件)

コメントはまだありません。

0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.0.105

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

数分で鳥肌が立つ恐怖録

読み込み中...

世界に引きずり込まれる怪異ノート

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...
chat_bubble 8