
長編
ハルカの最後の挨拶
小鳥遊 2日前
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冬の寒い日に、最愛の娘ハルカが死んだ。
まだ6歳だった。
これからだって時に…なぜ…
●前日の夜
なんの前触れもなく夕飯を食べている時に突然倒れ…
『あれ?寝てる…?え、息してない…』
あまりにも突然だった。
意識不明のまま、病院に運ばれた。
(食事がダメだったの?なんで??)
心肺蘇生のおかげで心肺は、回復したが
意識は戻らず寝たきりの状態になった。
医者は、
『このままでは1時間ももちません。』
娘の心臓の回復が遅かったのか、脳死と判断された。
突然、1時間しかもたないと宣告され、心臓だけが動く娘を横に私は娘のお気に入りの絵本を読んで聴かせた。
すると、
娘の目から涙が。
私
『ハルカちゃん!!』
手も足も動かない娘。
目から涙が溢れおちた。
ーーー
それから数時間ー
朝が来た。
朝方に娘の心臓が止まった。
病室に響く心肺停止音ーーー
この日は、娘の大切な発表会がある日だった。
なんで。なんでなの。。
こんなに悲しい朝はない。
医者からは、『突然死』と告げられた。
病室では、私の泣き叫ぶ声と共に家族の泣き声だけが響いた。
静かに看護師が娘の点滴や機械を外していく。
霊安室に通されて、娘に白い布が被された。
(こんな姿見たくない)
そう思った私は、布を外して顔を見た。
娘は、寝ているかのようだった。
私『起きない?ね、朝だよ…』
娘『…』
返事などあるわけもない。
霊安室からお葬式業者が来て娘を家に運んだ。
お葬式の準備を始めた。
なんだか事務作業のような動きだった。
祭壇はこうする、写真は、こうする…
私は、その作業のような動きが苦痛だった。
お葬式の日程も無事に決まり、夜が来た。
娘をいつも寝ている布団で寝かせ、葬式場のスタッフが準備をした。
棺桶は当日。
それまでは、いつもの夜みたいに一緒に寝れる。
私は、まだ生きてるかのような娘の横でしくしくと泣いた。
目を閉じるのがおしかった。
目を閉じると朝が来てしまう。
朝が来るのがこんなにも怖いものだと思わなかった。
ーーー
2日続けて寝不足のまま朝がやってきた。
棺桶に娘が入る。
最後の体に触れるチャンス。
そっとほっぺたに手をやった。
ほっぺたも唇も柔らかく、まるで寝ているかのようだった。
私『…大好きよ…。』
私の一人娘だった。
いつも一緒にいた。
私が辛い時も、悲しい時も
いつ
後日談:
- いろんな人にこんなことがあったと言われるたびに、私を元気つけようと思ってくれて言ってるのだと思った。 ドアが開くような不思議なことは、この日以来起きていない。
この怖い話はどうでしたか?
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- 娘さんは必死になって伝えてくれたんですね。 私は信じますよ。子供の頃行方不明の猫が会いに来てくれたようです。金縛りで動けなかったけど顔に猫の毛が触れてお別れに来てくれたのかな。それと知り合いが二十代の若さで亡くなって、その後私の体調が優れなくて、ずっと微熱で、色々あって49日に枕元に立ちました。彼女とは親しくなかったので不思議です。霊の世界は不思議ですね。娘さんは天国で幸せになっていますね。猫山