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中編

隙間

匿名 2日前
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てそこからも覗いている。ギクリとしてすぐに洗面所に行くと鏡に先程と同じ顔が映ってこちらを睨んでいる。あまりの恐怖に息ができない。必死に台所に駆け込むと先輩が開けはなした戸棚の中に顔がいくつもひしめいている。ここからはまるでスローモーションのようだった。空中を泳いでいるかのように手で空間をかき、息をあっぷあっぷしながら居間に入った。そこにはもう壁という壁、天井が隙間だらけになっていてそこら中から顔という顔、目が、目がねっとりと覗いている。魂がひきつって全身がガタガタ震えた。突如後ろから思いっきり突き飛ばされ、勢いで玄関のドアにぶつかり、私はドアノブに必死にしがみついて震える手でなんとか回して外に転がり出た。どっと嫌な汗が全身から噴き出した。「大丈夫か?そこで待ってな」後ろで玄関のドアを閉める音がする。まさか先輩はあの中にまた戻ったのか?正気か?私はもう立ち上がる気力も無くその場にへたり込んでただ呆然としていた。 もう何分経っただろうか、ようやく先輩が出てきた。何食わぬ顔で。「なかなかの物件だったなこれは。社長に高額請求しないと割に合わん。」「‥‥あれはいったいなんなんですか?!」「そうだなぁ、君には名前が必要だなぁ、、言うなれば目目連かな」「モクモクレン?あの障子に目が現れる?」「便宜上名前を付けただけだよ、その方が君も安心するだろ?得体の知れないままだと怖いだろ?では行こうか、早速報告しないとな。」そう言ってまだ足が震えている私を無理矢理立たせて車に乗り込んだ。 先輩があの部屋に戻って何をしていたのかは結局教えてくれなかった。 数日後、社長から金銭をせしめたらしくホクホク顔で私にもお駄賃を渡してくれた。これがあるから貧乏人にはやめることができない。そしてこう言った「あの日君に取り憑いてからだいぶ経ったのに、まだ君の部屋からアイツは出て行かないのか?本当に因果な体質だなぁ」と。

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