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中編

夜勤の階段使用禁止令

じやい 2018年9月11日
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2年位前になります。 私は本業の仕事と副業のバイト、掛け持ちをしていました。その副業していた時の話です。 副業とは、夜間に倉庫の荷物の仕訳作業のバイトです。 そこは、都内S区Oに有る会社でした。私は当時S区に住んでいたので、バイトをするには、都合が良い場所でした。時間帯は深夜0:00~5:00迄でした。3階建てで、各フロアに深夜でも数人の従業員とバイトの子達が居ました。 そこでは、「深夜の0:00以降は階段を使うな」と言われていました。入った頃はなぜだか理由は分かりませんでした。 ある日、従業員の方に何となくその話を振ると「出るからだよ。」と、笑いながら言いました。これは、社内全体で社則の一つになっている位の有名な話だったようです。 そこでは、バイト中に荷物受取に来る来客用の呼び鈴が鳴ることが有りました。でも、深夜の荷物受取はやっていませんし、入口も鍵がしてあり誰も入れません。そんな事がしょっちゅうでした。また、その受付窓口の脇に問題の階段があるのでした。 みんな口を揃えて、「今日は良く来るね。いつもより多いかも。」と笑いながら言うのでした。 従業員やバイトの先輩でも、霊感の有る方が結構居て、 休憩中はいつも「今日は、あの子見た。」 「俺はあの人だな」と、普通に談笑しながら食事をしてる感じでした。 そんなある日、私も見てしまいました。 私は、1階の荷物受取窓口脇の作業場で、荷物の仕訳作業をしていました。 深夜3時前後だったのですが、呼び鈴が突然鳴ったのです。「チリ~ン、チリ~ン」と。 振り返って窓口に視線を向けると、誰もいません。これが4.5回続きました。 その日は、師走の荷物量の多い週でもあったので、なかなか捗らない仕訳にイライラしていました。心の中で『ふざけんな。こっちは、忙しいんだよ!』と思いながら無視してました。 すると、「はははっ」と笑い声が聞こえた気がしました。これはもしかして、従業員の方が言ってたやつだと思いハッとしました。そして、何故かイライラ感が一瞬にして消えたのです。 「こっちだよ。お兄ちゃん。早く、早く」と、子供二人が会話しているような声もしました。 しかも、階段のほうからです。 私は階段のほう近寄よった時、視界に階段を上がる男の子と女の子の後ろ姿が入りました。階段を上がろうとした時、後ろから肩をグイッと捕まれ「憑いてっちゃだめ!!」とバイトの先輩に引っ張られました。 先輩の話では、その者に憑いて行くと、足を捕まれ階段から落とされるということでした。実際に深夜の従業員やバイトも過去に何十人と、怪我をさせられたようです。 それから、深夜の階段禁止令が始まったそうです。 ここでも、男の子と女の子の時は大丈夫なのですが、男性と女性の時はかなり、ヤバイらしく、その時は従業員やバイトの先輩達も完全に無視し、仕訳作業に集中し、イヤフォンをして音もシャットアウトするそうです。 また、その日は夜勤から日勤に交代する時に、しっかりと要注意事項として、引き継ぎもするそうです。 私はここで約1年半位バイトし、辞めました。今もその職場は現存し、先輩の話では最近、昼間でも時々、現れるそうです。

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