
中編
修学旅行の夜
(゜Д゜) 11時間前
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小学校の修学旅行で泊った旅館での話です。
その旅館はとても古く、廊下なども少し薄暗かった記憶があります。
200人程の生徒と先生が泊って、ほぼ貸し切りという規模でした。
部屋は入って正面に和室へとつながる襖があり、右手にトイレ。
和室は奥に海の見える大きな窓があり、その手前には2~3人が寛げる椅子やテーブルの置いてある板場。
板場左手の壁に洗面台が設置されていました。
洗面台側の隣の部屋も同様の作りでしたが、洗面台が私たちの部屋側に付いていました。
(壁を挟んでそれぞれの洗面台が対面で設置)
さて、その洗面台なのですが、排水管が隣の部屋のものと繋がっていたようで、隣の部屋で水を流すと『ゴボゴボ』と流れていく音が聞こえてきました。
なんなら、洗面台付近で少し大きな声を出すと微かに声が聞こえてきました。
夕食が終わり就寝までの自由時間、隣の部屋の子たちと『何を言っているかゲーム』と称し、片方の部屋で洗面台へ向かって話し、もう片方の部屋で何を言っているのか当てるという遊びをして盛り上がりました。
就寝時間になり、先生たちが見回りを始めたので遊びを止めみんな布団に入りました。
私は夜中トイレに起きそうだったので一番入り口側で寝ました。
そして案の定、夜中にトイレに行きたくなり目が覚めました。
みんなを起さないようにそう~っと起きると、トイレを済ませ布団へ戻りました。
すると、窓側の洗面台側で寝ていた友達が起き上がり座り込んでいたのです。
私は他の友達を踏まないように起きている友達に近付くと小声で「どうしたの?」話しかけました。
「洗面台の方がうるさくて眠れないんだ…。」
友達はそう言うと洗面台の方を指さしました。
板場と部屋の間には障子戸があり、寝る時は閉めていましたので、洗面台を見ることはできません。
耳を澄ましてみると、微かに人の声が聞こえる気がします。
「隣の部屋、まだ起きてるのかな?」
「そうみたい。もう、気になったら寝れなくてさ~。」
「洗面台でうるさいって伝えてみる?」
「うん、そうしよう。」
私たちは息を潜めて障子戸をゆっくり開けると板場の洗面台へ近づきました。
洗面台からはやはり何やらぼそぼそと声が聞こえてきます。
友達はあまり大きな声を出さないように排水溝へ顔を近づけ「うるさいよ!」とだけ言葉を放つと、声はピタリと止みました。
するとしばらくの沈黙の後、排水溝から
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- 名無しさん>ああ、そうだったのかもしれないですね。あまりにも私たちが楽しそうで出てきちゃったのかな^^唐柏
- 座敷わらし的な存在だったのかもしれない名無しさん
- 毛髪カリギュレイションさん>今思えば素直な誰かさんで本当に良かったと思います^^;唐柏
- 話の分かる、なんならちょっと優しいナニカで少し和みました。毛髪カリギュレイション