
長編
良い子
匿名 3日前
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トを着た刑事と目が合った。
目が合うなり、一直線にこちらに向かってくる。
『Sさんですね。ちょっとお話いいですか。』
刑事には「夫の失踪」「失踪前夜に現れた女の子」「息子の骨折」「息子の両目」「駐輪場の人形」について一通り話し、後日、以下の事が分かった。
「駐輪場の人形」の目玉は人間の目玉だったが、息子の目玉では無かった。
駐輪場の血溜まりは人間の血で血液型はB型。
私はO型、夫と息子はA型なので、私たち家族のものでは無かった。
包丁からは犯人と思わしき指紋が検出されたが、前科者の仕業ではないようで犯人特定は出来ていない。
結局のところ、現時点ではまだ何も解決出来ていない。
息子の退院日。
両目を閉じ、うつむいた息子の手を引き、自宅に帰る。
いつも元気で、うるさくて、怒られてもニコニコで、とにかく活発だった息子。
それが今では…。事故前後の息子のギャップが見ていて辛い。
『ママ?』
『なぁに?』
『僕は、いーこ?』
『当たり前じゃない。良い子だよ。本当に良い子。自慢の息子だよ。』
『そっか…』
『どうしたの?』
息子は泣いていた。
『ママ…。おめめが無くても涙は出るんだね…』
私は無言でとにかく息子を抱きしめた。
「代われるものなら代わってあげたい」そういう言葉をよく耳にするが、正にその通りだ。
息子の目が見えるようになるなら、私は喜んで両目を差し出す。
息子の事は何があっても守り抜く。たとえ命と引き換えであっても…。
そう心に誓っていたが、本当にこの先ずっと守ってやれるのだろうか?
私は40歳で息子を産んだ。もう若くない。
息子が大人になる頃には60歳のおばあちゃん。
確実に息子より先にこの世を去る事になってしまうのに、両目も見えない、両親もいない息子は、この先どうやって生きて行けば…。
だめだ。だめだ。だめだ。だめだ。だめだ。
考えれば考える程、不安が募るだけだ。
とにかく今は明るく、息子が安心できるように振舞わなければ。
「ピンポーン」
誰か来た。
モニターには宅配員の姿。
『ママ。お水ちょーだい…』
『お水ね。はいどうぞ。』
息子にお水を渡してから、玄関に向かう。
『こちらに印鑑を…ありがとうございました!』
『どうも~』
荷物が届いた。
差出人はご近所のHさんだ。
家が近いんだからわざわざ宅急便で送らなくても良いのに。
ダンボールには「こわれもの注意」のシールが貼られている。
大きさの割にやたらと重い。
この怖い話はどうでしたか?
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- ひようどう、兵藤、Hね ここだけ朗読だと分からなかったsato
- 内容が複雑過ぎて 良く分からないです。ママちゃん
- 怖いけど胸糞悪い。うんこりん
- 何かドラマみたい 最後がいまいち分かりませんまい
- 疲れただけの…お話匿名
- 怖い?くわはらあゆむ
- うーん?よく分かりませんでした。あいちゅん
- なんか長すぎて意味わかんなくなった 霊がここまで出来るなら未解決事件のオンパレードですな
- こわい、、ぽくり
- 過去の新聞検索したけど類似事件ないよね。そもそも子供の目に関する痛ましさからすぐに全国ニュースになるはずだから、創作か。やっぱり特命