
中編
踊る影
匿名 2日前
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あまり大した事ないですし、ちょっと長くなりました。でも最初で最後の体験です。
二十歳の頃、私は社会人一発目でリフォーム会社(ブラック)で仕事をしていました。
リフォームと言ってもお家だけじゃなく公共の物まで、例えば道路の手すりや役所などの外壁の修復や塗装をしたりしてました。
先輩が言うには公共の物なら国からお金が降りるため、いくらふっかけてもいいみたいなので、大変で危険な工事も請けてるらしいです。
話はここからです。高速道路と一般道の間にある鉄橋での工事でした。
大きさは長さ30メーターだった気がします。横幅は車道分しかなく歩道のない鉄橋でした。
所々塗装が剥げていて、私たちはその鉄橋の塗装をお願いされていました。
足場はすでに設けられていましたので、旧塗膜(古い塗装)を剥がし材を塗ってからスクライパーで落とし、落ちきらないものはグラインダー(電動工具)に鉄のカップブラシをつけて磨くように落としていました。
仕事は朝の8時から昼の17時までの常に日がある状態なのですが、橋の下は足場のネット(防音と飛散防止)で光が全然入らないので、場所によっては真っ暗な所があるんです。
私はその真っ暗な場所で投光器という照明を足場に置いて周りを照らし、自身のヘルメットにもライトを着けて作業をしていました。
場所を移動すると、照明に照らされてできた自分の影で前が見えない場合もあるのですが、気にせずヘルメットのライトを点けて作業をしていたところ、しばらくすると電池が切れたのかフッとライトの明かりが消えました。
仕方がないので、後ろの照明の位置を変えて影が邪魔にならないように調整して、腰をあげて作業する場所に振り返った時に見てしまいました。
作業する場所には私?の影が両腕をぶんぶんとめちゃくちゃに振らせながら、まるで踊っているように動いていました。
その時、私は最初、その踊る影をじっと見つめてました。
なぜかその時は変なものを見たと思わず、何かの原因で自分の影がこのようになってるんだと思いました。
私はもう一度照明を調整しようと腰を下ろして触ってるときに、この辺かとそのままの姿勢で影の方を観ると、なんというかさっきより早く動いていて、今度は腰もぐねぐねと踊り狂っていました。
それはもはや踊るというよりバタバタと目に辛うじて止まるぐらいの早さで動く 何か でした。
それを見てようやく私は、なんだこれとなり
後日談:
- 後日談というかなんというか。 兄貴と夜までツーリングした帰えりに、兄貴が実家の窓に子供が跳ねてる影を観て、「甥っ子君いんのか~」と家に入ったところ父と母しか居らず、兄貴も変な影見よったんかと、親と兄貴に自分の『踊る影』の話をしました。 すると父が私の体験を聴いて「あー、それ吊ってんな」と軽い口調で言って、兄貴をビビらせてました。 兄貴が一人で帰れんと言うので、兄貴の家まで並走し、兄貴が自分の家に入るまで見送るハメになりました。
この怖い話はどうでしたか?
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- そういう仕事してるから容易に想像出来て怖かったです。それにしても、先輩…(笑)怖がりな幽霊
- しばらく色々な事にビビりちらかしちゃうので、本当に最後にしたいですね。オヤシン
- 最初の体験かもしれませんが、最後とは限りませんよね。あ