
冬のある夜、若手デザイナーの私は、友人の紹介で高層アパートの一室を借りることにした。前の住人が急に引っ越したため、家賃も手頃だとのことだった。ただ、友人は一つだけ注意を促してきた。「この部屋、少し変わってるから気をつけてね」と。私は気にも留めず、その部屋に引っ越した。
部屋に入ってみると、壁には一枚の大きな絵画が飾られていた。奇妙な模様が描かれており、じっと見つめていると、どこか不気味な感覚が襲ってきた。しかし、家具が揃っているため、すぐに生活を始めることにした。
仕事が終わった後、私は毎晩近くのコンビニで買った食料を部屋で食べるのが日課だった。だが、ある夜、食べ物が異常に早く傷んでいることに気づく。冷蔵庫に入れておいたはずのサンドイッチは、翌朝にはカビが生えていた。果物も同様に、リンゴは黒ずみ、バナナはしなびていた。何かがおかしい。湿気のせいだろうか?
そんなある日、掃除をしていると、絵画の下に不自然なシミができているのを見つけた。よく見ると、そのシミはまるで指で引っ掻いたような形状をしていた。さらに、床には小さな傷がいくつもついている。私は不安を感じ、じっくりと部屋を調べ始めた。
すると、ベッドの下に何かが隠されていることに気づいた。引き出しを開けると、そこには不気味な宗教的な文様が描かれた紙が詰まっていた。その瞬間、背筋が凍りついた。部屋の異様な雰囲気や、腐っていく食べ物、そしてその絵画の恐ろしさが一気に押し寄せてきた。
思い立った私は、友人にこの部屋のことを話すと、友人は顔を蒼白にして言った。「その部屋、前の住人が…自殺したって噂だよ。」
その言葉が真実であれば、私は最悪の事故物件に住んでいたことになる。怖さがこみ上げてきた私は、急いで部屋を出て、近くのホテルに泊まることにした。数日後、再度部屋を訪れると、床には薄い水の膜が張り、まるで何かが漏れ出しているかのようだった。私はその光景を見て、ただただ恐怖に震えた。部屋を解約し、新しい住処を探すことにしたが、あの絵画と腐った食べ物の記憶は、二度と忘れることができなかった。
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