
長編
救い神(巣食い神)
匿名 5日前
chat_bubble 9
42,753 views
○○の容体は想像を絶するものだった。
冗談ではない、まさしく「死にかけ」だった。
身体はガリガリにやせ細り、
眼球は真っ赤に血走り、
目玉は飛び出しているかのようだ、
髪の色は白髪、
常に小刻みに痙攣しており、
「あっ、あっ」と、か細い声を漏らしている。
先「見なけりゃ良かったって思っただろ?悲惨なものさ、可哀想にな。医者(せんせい)も原因が全くわかっていないらしい。ただ、このままだと命の保証はできないんだとか…」
僕「へ、へぇ~。そうなんですか」
僕は顔が引きつっていた。
僕はここに居たくないと強く思った。
早急に学校に帰った後、この日は家に帰らされた。
…
僕はとんでもないことをしてしまったのかもしれない、、、
まさか人があんな姿になるなんて、
想像ができなかった。
巣食うとは――、ここまでやるのか
…。やることは決まっている。
裏山だ。
あそこに、アイツのところに行くしかない――。
…
巣「どうした?怖い顔して?」
怖いのはどっちだ。
正直、僕は今コイツに畏怖している。
でも言うしかない。
僕「あそこまで苦しんでるなんて、聞いてないぞ」
巣「あぁ、アイツらのこと見に行ったのか」
僕「僕は、ただ『消してくれ』って頼んだだけだろ?」
巣「心配すんな、時期に消えるさ。今、巣食ってる最中だ。それによー、」
僕「な、なんだよ」
巣「気持ち良かっただろ?」
僕「な!?」
巣「お前が消えて欲しいと願うヤツらがバンバン クラスから消えて、スッキリしただろ?」
僕「ふざけんな!」
巣「手に入れたら次から次へと使いたくなる、それが力ってヤツだ」
僕「僕は違う」
巣「お前だってそうさ。現に今までそうしてきただろ。それが代償なんだよ。復讐したい対象の身体を巣食うことにより、一時的にお前の心を救うと同時に、お前の良心を根っこから巣食うのさ。それが『巣食い神』だ」
なるほど、そーゆーことか。
確かに僕はどうかしていた。
こんなヤツに何かを頼もうだなんて。
そして何かに取り憑かれたかのように、人の不幸を楽しむなんて。
心を巣食われていた。
心だけじゃない。
足元すら掬われてる。
あともう少しで――、
家族までも消すところだったんだ。
巣「そうだ、今日は誰を消したい?先公か?それとも家族か?お前が望む人間を巣食ってやるよ」
後日談:
- 12
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(9件)
- いい話だったシンジ
- その後どうなった?天才小学生
- こういう話好き匿名
- いい話とか言ってる奴マジかよ?
- 行ってみるといかがだろうか?って兄が言うかいな匿名
- ええ話や!私の怖い話
- いい話〜泣れん
- 良い話だな~♪
- なんというのか、怖いイイ話だね