
長編
救い神(巣食い神)
匿名 4日前
chat_bubble 9
42,753 views
次の日、欠席していたクラスのほとんどが学校に来ていた。
また次の日には××と△△が登校。
そしてその数日後、奇跡的に回復した○○は学校に来るようになった。
あれから僕のことを心配してくれた兄さんは、僕を誘って一緒に救いの社に連れて行ってくれた。
でもアイツはやっぱり現れなかった。
兄「ここな、」
僕「え?」
兄「昔 虐げられた人達が その無念を、祀っている神様に聞いてもらっていたんだとよ」
僕「あれ?魔除けじゃなかったっけ」
兄「だから心を痛めた人間が通ると、その者の理想とする『もう1人の自分』が現れて力を貸してくれるという伝説があったのさ。まぁ、所詮は言い伝えだけどな」
僕「ふ~ん」
兄「お前がもし、何か人には言えない嫌なことがあったのなら、神様に聞いてもらうのもいいかもしれないと思ってな」
兄さんはなんとも言えない、優しくも悲しい目をしていた。
そりゃそうか…。
学校は違えど、家族は家族。
僕のクラスの異常事態を耳にしてないはずはないんだ。
心から僕を心配してくれてる。
そんな家族を、僕は…。
僕「大丈夫。心配いらないよ」
僕らは帰り道を歩き出した。
僕「Dえもんが帰った時、N太は1人の力でGアンに勝っただろ?」
兄「やっぱりお前、イジメ…」
僕「一つ言っとくけどな、やっぱり一番悪いのはGアンだろ。いや、力を貸すDえもんも悪いな」
兄「はぁ?まぁいいや」
僕「ん?」
僕は後ろを振り返る。
なぜか視線を感じた気がした。
多分、気のせいだろう。
兄「どうした?Dえもんでもいたのか(笑)」
僕「そんなヤツいるはずないだろ。もう行こう」
…
翌日
○「おい、サンドバック。今日の放課後、体育館裏に殴られに来いよ。なんか無性にムシャクシャしてんだよ」
退院した○○は、今までに増してイジメの度合いが酷くなっていた。
でも後悔はしてない。
僕は、もう二度とあんな力は使わない。
巣食い神。
君は死神なんかじゃない。
疫病神でもない。
僕にとっては、正真正銘の『救い神』だ。
君のおかげで自分の弱さを知った。
心の弱さを知った。
あんなことになるくらいなら、自分で手を掛けた方が百倍ましだ。
約束したろ?これからは君なんかに頼らなくとも、自分自身の手で解決してみせるって。
僕は右手を大きく振りかざし、
思いっっっきり○○の頬をぶん殴った。
後日談:
- 12
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(9件)
- いい話だったシンジ
- その後どうなった?天才小学生
- こういう話好き匿名
- いい話とか言ってる奴マジかよ?
- 行ってみるといかがだろうか?って兄が言うかいな匿名
- ええ話や!私の怖い話
- いい話〜泣れん
- 良い話だな~♪
- なんというのか、怖いイイ話だね