
長編
中仙道西○△怪談/暗渠
チコ 3日前
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居を潜り、コの字形の通路を進んだ突き当りがC様墓所であった。
その先は近隣の寺に付属する墓地が延々と続いていた。
「D寺墓地の奥にC様の墓がある」というより、「C様墓所を中心に半径50Mが墓地で、D寺以下9つの寺が墓地を封じている」
といった方がピッタリ来る光景であった。
丁重に参拝して辞去したが、寺の門を出るとき、何かが体の中から抜けていくのを実感した。
翌日から悪寒は解消、コートを着用せずに仕事できるようになった。
6.究明
C様墓所を参拝して一発で治ったので、半年以上続いた風邪の症状は霊障だったと分かり、愕然とした。
40歳過ぎて幽霊を見たことがなかったので、自分が心霊現象に見舞われるとは思っていなかった。
C様に祟られた原因を知りたくてC様に関する文献を探した。
でも芝居のヒロインとしてのC様に関する文献は腐るほどあったが、実在した人物・怨霊としてのC様に関する文献は殆どなかった。
業を煮やした私はC様に関係なく、心霊本を片っ端から読破していった。
C様に祟られた原因は見つけられないかもしれないが、霊障への対策が見つかると思ったからだ。
だが怪談文学とは読者の心胆を寒からしめるのが目的らしく、「こうすれば助かった」式の”対策”に触れた書物を殆どなかった。
7.2次被害
心霊本を20冊ほど読破した辺りで、私は不眠症になった。
集合住宅の7階に住んでるのに、就寝してからも、外の人声がヤケにハッキリ聴こえた。
ウトウトしていても、終電時刻過ぎに駅の方へ向かう人声がしようものなら、心の中で心霊検知メーターが自動で起動、警報が鳴ってガバっと跳ね起き、朝まで眠れなくなった。PTSDの一種なのだろうか。
酒も睡眠導入剤も効かなかったが、、なぜか朝になると眠ることが出来た。
酷い睡眠不足のせいで、仕事中、隣の席の女性をC様の幽霊と勘違いしたこともあった。
8.後遺症
風邪の症状は治まったが、足の付け根の冷え・痛み・痒みは直ぐには治らなかった。
タイガ-バ-ムを患部に塗ってるうちに痒みは軽減、すかさず温湿布を貼ってるうち快方に向かった。
C様ゆかりの寺院に通い、加持祈祷を受け、御守りを身に付け、部屋中に御札を貼ってるるうち、夜も眠れるようになった。
さらに、心霊本に代え、ネットで怪談サイトを読むようにしたら、コメント欄に霊障対策がてんこもりで、悪霊と闘う勇気さえ湧いてきた。
知識が増えると、霊障の原因はC様
後日談:
- 西◎△の因縁話は他にもあります。
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- いろいろ複雑でしたけど、面白いですね。時雨